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彼が、一つ向こうの駅から乗って来て、この駅で各駅停車の普通に乗り換える予定。電車が着いて、一番前の車両に乗るって言っていた。
少し微笑んでいるような顔で彼が降りてきた。別に何かを言う訳でも無く、私のことを見ているので
「おはようございます」と、私から言うと
「そう おはようだね 来てくれたんだ」
「そりゃー 昨日の夜 約束したじゃぁないですかー」
「そうなんだけど 現実かなーぁって それに こんな可愛いらしい娘とデートだなんてー」
今日は、小さなお花の刺繍が襟から胸元にまでしてある白いブラウスにベージュのインナー付きのラップのミニスカートそして、赤いリボンの髪止めで来ていた。彼は、白いポロシャツにベージュの綿パンと今日もシンプルなのだ。
「あのー 眩しいですね 服装が・・・」
「子供ぽいですか? もっと 大人っぽいのん ほうがいいのかなー」
「いや そんなことないですよ 僕は 見慣れて無いからー それに水澄さんは脚もすぅーっとしていて ミニが似合う 水澄さんは可愛いほうがいいです」
「そーですかー 良かったぁー うれしい 褒めてくれて」
そして、電車に乗ったんだけど、何にも話も無く、降りてからもスタスタ歩く彼と並ぶのも大変で、遅れて後ろに付いていくという場面も・・・。公園に入ってからもそんな調子で、ちっともリードするとか手を繋ぐとかの素振りも無かったのだ。また、こんなの補導されているみたいだからー いやーぁ と思っていた。
「ここだよ 自然史博物館 中学生以下は無料らしいから 学生証出して」
「へぇー へぇー ただなんやー」
「まぁ らしいな」
入口を入ると、いきなり ナウマンゾウの標本が
「うわぁー おっきい ふ〜ん でも 動物園の象くらいっかなー こんなのが生きていたんだー この辺にも普通に居たの?」
「まぁ 化石があちこちで発掘されてるからな 居たらしい 野尻湖は有名だろう?」
「野尻湖? あぁー 冬になると氷ついたのが盛り上がって 神の御渡りってとこだ」
「・・・それは 諏訪湖! 野尻湖は長野の北で新潟に抜ける途中」と、言い方が冷たかった。
「そうかー じゃー いわさきちひろ だっけかな 絵本の・・・活動してたとこ・・・ あっ 今 私のこと アホやって思った!?」
「そんなことないよ ぼくだって その いわさき何とかって 知らないものー」
「あっ 人間って こんなのと戦って 食料にもしてたんだってー」
「らしいね 加古川の方は日本海にまで通じて低い土地だったみたいでね そこは季節的に移動するナウマンゾウ達がいて、そこを人間が沼地なんかに誘い込んで襲ったんだって」
「ふ〜ン 一真さん 詳しいんだね も
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