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星河の覇皇
第八十七部第三章 港の整備その三十五

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「私も子供の頃から軍のことを知っているか」
「そう言われますと」
「その筈がないですね」
「最初から知っているなぞ」
「人間ならば」
「レオナルド=ダ=ヴィンチも筆を手にしてだ」
 万能と言われる彼もというのだ。
「そうしてだな」
「はい、絵を描けました」
「多くの名画を残せました」
「モナ=リザの微笑みにしましても」
「描くことを知ってこそだ」
 まさにその経験を得てというのだ。
「才能を発揮出来た、ゴッホも同じだな」
「そうですね、絵に触れてです」
「筆を取ったからこそです」
「彼も多くの名画を残せました」
「千点あまりのそれを」
「歴史から学んでもだ」 
 それだけではというのだ。
「何もならない、経験を経ないとだ」
「天才もその才能を開花出来ない」
「では閣下もですね」
「経験あればこそ」
「今がありますか」
「そう思う、今はな」
 今の自分はとだ、タンホイザーは述べた。
「そうなった、そしてそう思うこともな」
「経験あればこそ」
「そうなのですね」
「全てはそれがあってこそ」
「それで、ですか」
「私も戦えてだ」 
 エウロパの歴史がはじまって以来の戦術的天才と言われるまでにというのだ、タンホイザーのそれはアレクサンドロス大王に匹敵するとまで言われている。
「若し連合軍が来てもな」
「戦えますね」
「それが可能ですね」
「左様ですね」
「勝ってみせる」
 その自信があるというのだ。
「確かにな」
「左様ですね」
「例え連合軍が圧倒的な数と装備で攻めてきても」
「閣下ならばですね」
「勝てますね」
「そうしてみせる、彼等のことはわかった」  
 その連合軍のこともというのだ。
「先の戦役でな」
「そしてそれもですね」
「経験ですね」
「そちらになりますね」
「歴史からも学べる」
 ビスマルクが言ったことはその意味で事実だというのだ。
「だがそれでもだ」
「経験もですね」
「このこともですね」
「事実であり」
「閣下も同じですね」
「連合軍のことを実際に知るにはな」
 これにはというのだ。
「過去の歴史に似た軍隊があった」
「それでもですね」
「実際に干戈を交えてですね」
「それで本当にわかるのですね」
「そうなる、その中で彼等を見てだ」
 その連合軍と戦う中でというのだ。
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