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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#10
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作《マッピング》】とネロの【索敵】─────どちらかならともかく、両方ともに漏れがあったとは思えない。

 それならば、後から増えたということ────?

 考えてみれば─────そもそも、こんなに変異種がいること自体がおかしい。オークが5頭にオーガが9頭だ。

 あの集落では、ゴブリンを繁殖させて食糧としていた。ゴブリンの魔力は、人間よりは多いが、他の魔物に比べたら非常に少ない。それなのに、変異種になるほど魔力が採れるわけがない。

 人間に気づかれないように他の魔物を狩っていたとしても────多過ぎる。

 オークの変異種と対峙した時に感じた違和感を思い出す。あのオークたちは、5頭すべて同じくらいの魔力しかなかった。まるで────同じ量だけ魔力を注がれたみたいに。

 魔物の魔力量は、人間の魔力量を遥かに上回る。魔獣ともなれば、もっと膨大だ。

 ディルカリド伯爵は人間にしては魔力が多いが、変異種や魔獣には及ばない。そのディルカリド伯爵が魔獣を造ることができることを考えると────魔物あるいは魔獣が変異種を造ることができても、おかしくはない。

 つまり────【霊剣】を創ることができ、魔力を循環させて身体能力を強化することができ、変異種を造り出すことができる魔物、あるいは魔獣が、この戦場にいる─────

 ざわり────と、(うなじ)(あわ)立つ。

 もし…、一人で魔獣の相手をしているレド様が、“それ”に襲われでもしたら─────


 私は、近づきつつある魔物の一団に向けて、最大規模の【疾風刃(ゲイル・ブレイド)】を放つ。案の定、【霊剣】である剣や斧、盾によって掻き消されてしまったが────魔物は警戒して、足を止める。

「イルノラド公爵、あの魔物たちは私が何とかします。急ぎ体勢を立て直し、他の魔物の討伐をお願いします」
「解った」

 イルノラド公爵が頷いて、ノラディス子爵と共に私から離れる。


 【(テレポー)(テーション)】で、すぐにでもレド様の許へ戻りたいところだけど────それでは、レド様のお傍を離れてまで私がここに来た意味がなくなる。

 だから────あの魔物たちを殲滅して、レド様の許へ戻らなければ。

 大規模な攻性魔術を放っても、【霊剣】で防がれて、一度で全滅できない可能性もある。それに、あの【霊剣】をそのままにしておいたら、新たな魔物に使われてしまうかもしれない。

 それなら────時間をかけずに、確実に【霊剣】を破壊しつつ魔物を殲滅して、レド様の許へ戻るには─────


「─────【武装化(アーマメント)】」


 私の身体が眩い光に覆われ、漆黒の戦闘用衣装が純白のドレス姿に替わる。

 周囲から息を呑むよ
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