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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#10
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の特異さを身を以て体験したばかりだ。それが1本や2本ならまだしも、立ちはだかるすべての魔物が手にしている。
【
心
(
インサイ
)
眼
(
ト・アイズ
)
】によれば────あれらは、やはり【霊剣】らしい。素体が棍棒ではなくて、人間から奪い取った装備であるというだけだ。
だけど────何故、出て来たのがこのタイミングなのだろう。
こんな風に小出しにするのではなく、変異種と併せて一遍に出せば、容易に殲滅できただろうに。
変異種の戦いに手を出さないという、魔物の習性のせい?それとも、何か理由があって、別々に出て来るしかなかった…?
何気なく、そこまで考えて────思い当たる。
黒い【霊剣】を創るのに欠かせない素材は────魔物の魂魄だ。それは、この戦場に満ち溢れているはずで、【霊剣】を創るのに事欠かない。
現に、私の【夜天七星】やレド様の【マーニ・シールズ】も、周囲に漂っていたと思しき魔物の魂魄を取り込んで、新たな【霊剣】となっている。
魔獣の棍棒も、変異種の棍棒も、立ちはだかる魔物たちの装備も────温存されていた切り札なんかじゃない。それなら、もっと早くに投入していただろう。おそらくは、この戦場で創られたもの。
先程までレド様たちと相手取っていたあの魔獣────あの魔獣はどうして、変異種よりも、この魔物たちよりも、先に出て来たのか─────
ふと過った言葉が、口から零れ落ちる。
「時間稼ぎ…?」
魔獣が私たちを押さえている間に、【霊剣】を増やすため────?
もし、そうなら────【霊剣】を創ったものは、あの魔獣ではなく、他にいるということになる。
そこに倒れる変異種の棍棒も、私たちが魔獣に足止めされているうちに創られたものだとしたら────固定魔法らしきものを施したのも、あの魔獣ではなく、【霊剣】を創ったものである可能性が高い。
それは────前世の記憶と経験を持つ個体が、あの魔獣の他に、もう1頭いるということ─────
「!!」
私は、急いで【
立体図
(
ステレオグラム
)
】を思い浮かべ、【
把
(
グラ
)
握
(
スプ
)
】の情報を重ね合わせる。
スタンピード前方の2頭だけじゃない、ヴァイスが護る私たちの拠点にも2頭────それから、魔獣から少し離れたところに3頭、変異種が存在している。3頭の変異種と戦っているのは───ラムルだ。
「…っ」
レド様は────たった一人で魔獣と対峙している。
私たちは魔獣たちの思惑に嵌り────おびき寄せられ、引き離されたということだ。
ふと違和感が走った。
ここに2頭の変異オーガの死体がある。これではオーガの変異種は全部で9頭いたことになる。
私の【|地図製
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