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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#10
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ノルンに、代替の剣をディンド卿とヴァルトさんのアイテムボックスに送ってもらって───ディンド卿とヴァルトさんにその旨を【
念話
(
テレパス
)
】で報せてから、私はレド様と共に、目の前で繰り広げられる戦いに参入するべく、隙を窺っていた。
魔獣が振り下ろした棍棒を、ラムルが弾く。棍棒を弾かれても体勢が崩れなかった魔獣は、すぐに再び棍棒を振り下ろそうとする。
そこへジグが【
疾風刃
(
ゲイル・ブレイド
)
】を放ち、棍棒にぶつけた。少しだけ、棍棒の速度が落ちる。
ラムルは大剣を横薙ぎに振るって、また棍棒を弾くと────今度は体勢を崩して、たたらを踏んだ魔獣に向かって奔る。無防備になった腹部を目掛けて、大剣を叩きつけようと振り被った。
魔獣は、棍棒を弾かれた勢いを利用して右足を引き、上半身を捻って、それを躱す。
ラムルは今、特殊能力を行使しているから、【
身体強化
(
フィジカル・ブースト
)
】は使えない。勿論、【魔力循環】による身体能力強化はしているけれど────それだけで魔獣の膂力に対抗できていることに、私は感心してしまった。
しかし、代わりに、いつものあの常人には目に捉えることができないような素早さはない。
普通に棍棒を打ち付けるには、ラムルの位置が近過ぎるからか────魔獣は棍棒を一旦下ろして、まるで掬い上げるように、ラムルに向かって棍棒を振り上げる。
ラムルは大剣を振り下ろして、棍棒を叩き落とすと────右足を踏ん張って、そのまま棍棒を押さえつける。
棍棒を封じられた魔獣に、ジグが両手の短剣、それから【
疾風刃
(
ゲイル・ブレイド
)
】を時間差をつけて放つ。
「行くぞ、リゼ」
「はい、レド様」
私はレド様と共に奔り出しながら、【
疾風刃
(
ゲイル・ブレイド
)
】を発動させる。
立て続けに襲い来る攻撃を捌くために、魔獣は棍棒を強引に振り上げた。さすがに押さえきれなかったようで、大剣を弾き返されて、ラムルが後ろによろめく。
自由になってしまった棍棒を再び押さえ込むために、レド様が左方向から奔り込み、大剣を振り被った。
【聖剣】を携え、レド様に続いて奔り寄る私にも気づいたらしく────魔獣は、後方へと跳んで攻撃を回避しつつ、私たちから距離を開けた。
「ラムル、ジグ───待たせた」
「いえ」
ラムルが首を振り、【回帰】を解除する。ラムルの身体が光を帯びて、体形が目に見えて縮む。
そして────大剣を戻して短剣を両手に出現させたときだった。
突如、耳を劈くような雄叫びが響き渡った。一瞬、魔獣から発せられたのかと思ったが────違う。
不意に、右方向にオーガの変異種2頭が現れる。雄叫びを発したのは、この2頭だ。
2頭の変異種
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