第八十七部第三章 港の整備その三十三
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「国家としてな」
「危ういですね」
「それまで至りますと」
「コーヒーが飲めなくなると」
「そうなってはな」
これはこの時代でのことだ。
「もう敗戦国家の滅亡もだ」
「考えられますね」
「コーヒーが飲めなくなると」
「そこまでの窮乏状態ですと」
「その状態に陥りますと」
「そうなるからな」
そのことが予想出来るからだというのだ。
「コーヒーが飲めることはな」
「よいことですね」
「誰もがそう出来る」
「その状況こそは」
「歓迎すべきことですね」
「そう考えている、これは紅茶も同じだ」
こちらもというのだ。
「私はコーヒー派だがな」
「それでもですね」
「そう言われますね」
「その様に」
「紅茶が誰でも何時でも飲める」
「そうした状況でなければ」
「国家として危うい、だからな」
それ故にというのだ。
「誰でもな」
「コーヒーを飲むことを止めない」
「左様ですね」
「閣下としては」
「しかし代用コーヒーは蒲公英から作る」
その代用コーヒーの話もした。
「だから身体にはいい」
「はい、確かに」
「それはその通りですね」
「蒲公英は栄養価が豊富です」
「ビタミンがあります」
「今はコーヒーにもビタミンがあります」
品種改良によってそうなったのだ、この時代のコーヒーはエウロパのものも連合のものも茶の葉の様に湯で壊れないビタミンが豊富にあるのだ。
「ですが蒲公英はです」
「最初からビタミンを大量に備えています」
「ですからそれから作る代用コーヒーもです」
「栄養面から見るといいものです」
「そうだな、それは事実だ」
代用コーヒーのこのことはというのだ。
「私も知っている、しかしな」
「それでもですね」
「閣下としてはですね」
「やはりコーヒーですね」
「コーヒーが何時誰でも飲める」
「そうであって欲しいですね」
「このエウロパもな。それでだが」
タンホイザーは周りにさらに話した、彼だけでなく他の者達も赤と黒そして銀の詰襟のエウロパの軍服を着ている。
「暗黒宙域を進む将兵達の食事だが」
「はい、軍務省もです」
「栄養に味覚です」
「その両方を考えてです」
「そのうえで用意するとのことなので」
「期待出来ます」
「それならいいな、大航海時代はだ」
この時代の船乗り達の話もした。
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