エピローグ
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の地で大活躍した人らしいよ」
「ならなんで有名人になってないんだよ」
「いちおう仮説は立ててるよ。シャイで目立つのが嫌だったから歴史に残さないよう遺言でもしてたんじゃないかなって」
「胡散臭い仮説を立てたな。お前らしいが」
話であたたまってきたところで、さあ出発、というときだった。
「……わたしはその宗教家の名前を知ってる」
その声に、三人は驚いた。
見るとすぐ近くに、小さな白い少女がいた。
「うお! びっくりした! 人がいた! こんにちは!」
「こんにちは。さっきからいたよ」
「ごめんね! 超保護色だから全然気づかなかったよ!」
まさに雪のような銀髪に真っ白な肌。白い服と大きな白いマフラー。見事なほど、一面雪化粧の景色に溶け込んでいた。
「きみは誰?」
「わたしはハクア。キミと手紙をやりとりしてた」
「あー! きみが現地案内サービスのハクアちゃんか。お世話になるけどよろしく頼むよ!」
「……よろしく」
ダイスが元気よく最敬礼をすると、白い少女はボソッと答えて小さく頭を下げた。
「んじゃ、名前を知ってるということなんで、さっそく教えてほしいなー」
「密かに建てられていたその人の墓がある。それを見て自分の目で確認して」
「おお、いいねー。その無愛想でサービス業やる気ゼロな感じ。達人っぽい感じがして頼もしい!」
「いや、よくはないだろ……まあ個人的には気にしないけどな。よろしく」
「しばし迷惑をかけるが、よろしく頼むぞい……ん? 着陸場まで迎えに来てくれるという話じゃったかの?」
「あ、そういえばそうだね。このちょっと先にある祠で会う予定だったんじゃ?」
「そうだけど、ずっと空見てたら来たのわかったから。迎えにきた」
「おー、出血大サービス? ないのは愛想だけだったか! ありがとう!」
「別にサービスってわけじゃない」
白い少女はクルっと振り返って出発の意思を示しながら、年齢不相応の落ち着いた声で続けた。
「なんとなく、そうしないといけないような気がしたから」
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