第四章〜災厄のプロトコル〜 第54話
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」
ヴァンの質問を聞いたフェリは故郷での父親の車に対する拘りを思い返していた。
「山岳地や砂漠だとどうしてもなぁ。ちなみに前回、砂丘で安定して走れたのも入念なチェーンナップあってこそだぜ?」
「なるほど…………よくわかりませんけどっ。」
「ぐっ、いいか足回りっつーのおはカスタムの中でも特に重要で――――――…………」
自慢の自車の改造についてあまり興味がなさそうな様子でいるフェリに唸り声を上げたヴァンは更なる説明を始めたが、対するフェリは興味を抱いていなく、ガレージの中にあるシートに包まれた何らかの物体に気づくとヴァンに訊ねた。
「あれは…………?」
「ああ、午前中にエルザイム方面から届いてな。例の公太子からのプレゼントだ。」
「ああ、そういえば…………」
ヴァンの話を聞いたフェリはサルバッドでの去り際のシェリド公太子のある言葉を思い出した。
―――――報酬には色をつけさせてもらった。後日届けさせるから楽しみにしてくれたまえ。
「特注された最先端素材のパーツ…………さすが跡継ぎ、こんなモンを用意するとは。人も増えてどうしようかってところにお膳立てされたのは気にくわねえが。」
シェリド公太子から届いたプレゼントの”中身”を知っているヴァンは現状の自分達の状況を考えた上でのプレゼントであると気づいていた為皮肉気な笑みを浮かべた。
「ああ、なるほど…………後部座席を追加するパーツですか。」
ヴァンの話を聞いてプレゼントの中身を察したフェリは納得した様子で呟いた。
「お――――わかんのかよ?」
「前にも言いましたけど…………戦士団を出て独立した兄がいまして。去年、里に顔を出した時に乗ってた車に同じようなパーツが付いていたんです。今は別の車に乗ってるかもですけど。」
「なるほどな…………まあ、まだ乗ってるんじゃねえか?」
「…………?えへへ、そうかもですね。」
ヴァンが自分の兄を知っているような口ぶりに一瞬不思議そうな表情を浮かべたフェリだったがすぐに気にすることなく、無邪気な笑みを浮かべた。
「―――――ヴァンさん。フェリちゃんもこちらでしたか。」
その時2人に近づいてきたアニエスが2人に声をかけた。
「あ、アニエスさんっ。」
「毎度毎度の10分前行動か、もう少し緩くてもいいんだぜ?」
アニエスの几帳面さにヴァンは苦笑しながらアニエスに指摘した。
「ふふっ、そう言われましても染みついているので…………」
「ふあああっ、そんじゃ俺は二度寝させてもらうかね…………」
ヴァンの指摘にアニエスが苦笑しながら答えたその時眠そうな様子で呟いた聞き覚えのある声を聞いたヴァン達が見上
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