第四章〜災厄のプロトコル〜 第54話
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は呆けた声を出し、アニエスは目を丸くした。
10月18日――――――
11:03
リゼットがアークライド解決事務所の押しかけSCになってから数日後、私服姿のリゼットは事務所の上にある自分が借りた部屋で端末を使ってある人物と通信をしていた。
〜旧市街・リゼットの私室〜
「報告は読ませてもらった――――――成程、おおむね順調のようだね。旧首都圏での現地サポート・オペレーション業務も問題なさそうだ。アークライド解決事務所への出向――――――緊急案件以外は君の判断に任せよう。」
「ご承認、ありがとうございます。”A"案件については例外を除いて引き続きご報告させて頂きますので。」
「ああ、そうしてくれたまえ。――――――”例外”というのが想定以上に多くなりそうなのが気にはなるがね。」
「…………恐縮です。ですが――――――」
「ああ、咎めているわけではないよ。それについては”規定”の範疇内だ。流石に3年前にメンフィル・クロスベル連合によって滅ぼされたという”某組織”のように執行権限者に”全ての自由を認める”のは無理だがね。」
「…………ええ、企業活動に馴染まないのは確かかと。」
「こちらとしてはヴァン・アークライドと専用ホロウの挙動も気になるが…………それとは別に、”君自身”の経過と実践データについても期待している。宜しく頼むよ――――リゼット・トワイニングSC。」
「…………かしこまりました・ゾーンダイクGM(ゼネラルマネージャー)。(…………マルドゥック――――――所属してなお底が見えませんね。実利を優先しながら、虚実を徹底的に使い分けて輪郭をぼかす在り方…………)…………言えた立場ではありませんか。」
通信を終えた後少しの間考えていたリゼットは苦笑を浮かべながら呟いた。するとその時ガレージの開く音が聞こえてきた。
「さて、わたくしも本日の業務を始めましょうか。」
ガレージの開く音に気づいたリゼットは立ち上がっていつもの仕事服姿に着替え始めた。
〜ガレージ前〜
「〜〜〜〜〜♪」
「あっ、ここにいた――――――ご機嫌ですね、ヴァンさん!」
ガレージ前でヴァンが鼻歌を歌いながら自車の整備をしているとフェリが声をかけてきた。
「おう、授業はもう終わりか?」
「えへへ、つつがなく。お仕事前に整備ですか?ヴァンさんもマメですよねっ。」
「ま、大切な相棒だからな。そういやお前ントコの団も移動は導力車が中心だっただろ。親父さんとか拘ってんじゃねぇのか?」
「ん、どうでしょう。”レノ”の導力車を使ってましたが。あ、タイヤとか”だんぱー”とかには拘っていた気がします。
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