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英雄伝説〜黎の陽だまりと終焉を超えし英雄達〜
第四章〜災厄のプロトコル〜 第54話
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人の名が廃るってもんだろう。」

「…………親方…………ありがとうございます。」

老人の気遣いに少年が感謝したその時通信の音が聞こえてきた。

「と、すみません。…………タウゼントCEO?僕なんかにどうして――――――…………」

ザイファを取り出して通信相手を確認して不思議そうな表情を浮かべた少年は通信を開始したが

「っ…………!?待ってください、どうして急にそんな…………!で、ですがここは博士の――――――っ…………とにかくすぐ伺います…………!」

通信相手からある事を告げられると血相を変え、通信を終えた後は焦った様子で目的地に向かってその場から走り去った。

「タウゼントめ…………ロクでもねえことを考えつきやがったな?」

少年の様子を見ていた老人は真剣な表情で呟いた。



〜イーディス・アラミス高等学校・1年A組〜



6限目・カルバード史



「―――――およそ百年前、カルバードの王政はもはや限界を迎えつつあった。大陸東部の巨大皇国の崩壊と衰退――――――そしてエレボニア帝国による何度目かのクロスベル併合。更には大規模な飢饉も発生し、貴族による圧政によって民が喘ぎ苦しむ中…………立ち上がったのは当時の王立大学に在籍していた”シーナ・ディルク”と、その盟友たちだった。当時幻想でしかなかった”民主革命”の理念――――――それは若者を中心に人々を惹きつけ、ムーブメントを巻き起こしたという。徹底的な弾圧によって多くの若者が犠牲になり、彼女自身投獄されるなどの憂き目に遭いながら…………やがてシーナは、自ら革命解放軍の旗印となり、旧王制を打ち倒すことに成功した。盟友であった思想家オーギュストの独裁やエレボニア帝国の貴族領邦軍による侵攻なども乗り越え…………シーナ・ディルクは”カルバード共和国”の初代首班に就任、その後も多くの偉業を成し遂げる。中でも代表的なものは――――――クローデル君。」

アニエス達のクラスで歴史の授業をしていた教師はアニエスを指名した。

「はい…………!まずはメンフィル・クロスベル連合による併合後の現代にも続く”カルバード憲章”の宣言、そしてイーディスへの遷都が浮かびますが…………この”アラミス高等学校”の創設と経緯についても注目したいです。彼女の同志である芸術家アラミスを始めとする多くの意見を取り入れたのはもちろん…………隣国リベールの王立学校だけでなく、敵国だったエレボニア帝国の士官学校まで参考にしたとか。人種や国境、主義や思想の隔たりなく多くを取り入れ、”より良い物”へと昇華していく…………共和国となり、その共和国がメンフィル・クロスベル連合により併合された後もメンフィル・クロスベル連合すらも配慮せざるを得なかったカルバードを体現した重要な功績の一つ
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