第四章〜災厄のプロトコル〜 第54話
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に没頭しているし――――――」
二人が立ち去った後厳しい表情を浮かべて現状の厳しい状況に頭を抱えていた男性だったが通信の音に気づくとザイファを取り出して通信を始めた。
「なんだ―――…………エトワスとレッドスターが特許訴訟!?とっとと顧問弁護士に仲裁させろ!アルドラとZCFが技術提携…………!?例の”連盟”か――――――内容はどうなっている!?"AF計画"の事前リーク!?タイレルとは協定を結んでいる筈だぞ!?視察研修………もうそんな時期か!?ええい、そんな事まで対応してられるか!はあ………こんな時に限って重なるものだな。」
通信を終えた後次から次へと発生する問題に溜息を吐いた男性は気分転換に外の景色を見つめた。
「どいつもこいつも………いや、待てよ。たしか丁度いいのがいたはずだな。彼女が残していった、もう一人の門下…………今はあの古臭い施設にご執心なのだったか。」
その時ある事を思い出した男性はある施設に視線を向けた。
〜天文台〜
「シェダル大三角――――――やっぱりこの時間がベストかな。もう少し雲が少なければもっと良かったけど。宿題だった”合”のタイミングはおよそ10ヶ月後か、か…………それまでに帰ってくるといいんだけど。」
男性が視線を向けた施設――――――天文台の中にある巨大な望遠鏡で銀髪の少年は星を見ていた。
「カエッテクル?」
その時機械音声らしき声が少年に問いかけた。
「ゴメン、なんでもないさ。」
「GRR…………BOW。」
「『問題ナイカ?』ト告ゲテイル。」
声に対して少年が返事をすると犬の唸り声が聞こえ、声が犬の唸り声を翻訳した。
「…………ふふ、大丈夫。FIOにXEROSも一緒だからね。もう、子供じゃないんだ。グランマ(おばあちゃん)の留守くらいしっかり守らないと。」
声に対して微笑みながら答えて声の主を撫でていた。
「ったく、ガキが一丁前にナマ言ってんじゃねえ。よう、調子はどんなもんだ?」
その時整備服の老人が少年に声をかけた。
「親方…………新型レンズならさっそく試させてもらってます。誤差0.03μa(マイクロアージュ)以内の高精度――――――流石は職人街の皆さんですね。」
「ガハハ、たりめぇだ。博士の宿題の一つだからな。じゃなくてお前さんの話だよ。…………最近、根詰めすぎてねえか?」
「いえ、このくらいは余裕ですよ。…………すみません、いつも気遣ってもらって。でも、いいんですか?上も煩いでしょうに、僕なんかのために――――――」
「だからガキが細けぇことを気にすんな。――――――研究者には研究者の、技術屋には技術屋の本文ってのがある。ましてや博士の秘蔵っ子を手伝わないなんざ、バーゼル職
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