VS、VTシステム
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」
そんなこと、一々言わなくてもわかっている。
そしてこの後だが、俺と一夏、そしてデュノアはVTシステムに関わったということで事情聴取をされることになった。
■■■
トーナメントは決勝だったこともあり、俺とボーデヴィッヒの判定勝ちとなった。
その理由はシュバルツェア・レーゲンが変化したときの俺たちのシールドエネルギーの差。一夏は一桁で、デュノアは100を切っていたのに対して俺は満タンだったためだ。それに模擬戦の戦績で俺が一度もデュノアに負けたことがないからだろう。
一応、何度か手合わせしたことあるが、今のところは機体の性能差もあって全勝している。その関係だろう。
「……そういえば、トーナメントを優勝したらどうなったっけ?」
ふと、一夏がそう言った。
「そんなこと、近くにいる女子に聞けばいいだろ」
「そうなんだけど、さっきから聞いているのにはぐらかされるんだよ」
そりゃそうだ。なにせお前が優勝賞品だからな。
「……風宮、ちょっといいか?」
俺がカルボナーラを食べ終わり、口の周りを拭いているときに篠ノ之が現れた。
「何だ?」
「……少し、大事な話がある」
「そうか。ちょっと待ってくれ」
食べ終わった食器を置き、カウンター席で俺は新たにパフェを注文した。今日はよく動き、事情聴取され、少しぐったりしていたのだ。
「それで話って?」
「……実は、あの大会の優勝の褒美なのだが………」
「ああ。一夏と付き合えるとか、本人未了承のあれね」
誰だよ、噂を流したやつ。本人未了承だとそれは無効だ。
「大体、そんな噂を了承なしに容認するなよ。反吐が出る」
そう言うと、遠くから呻き声が聞こえた。
「……風宮は、そういうのは嫌いなのか?」
「ああ。嫌いだね。勝手に商品にされるとかそういうのは。もし男なら殺して女なら格の違いを教えてあげるな。懇切丁寧に手首足首を折り曲げて。それそうと、お前は大丈夫なのか?」
「ああ。私はお前に負けたからな。同室の鷹月には悪いとは言え、今は諦めて―――」
「まぁ、俺もボーデヴィッヒも興味ないから大丈夫だろ。それにそもそも無効だしな」
後ろから女子たちが何か言ってくるが、俺はそれを無視した。
「あ、祐人……」
俺の姿に気づいた一夏が声をかけてきた。
「どうした? そんな覇気のない声を出して」
「ああ。実はな。俺たち今日風呂に入れるんだ」
「へぇ。じゃあ俺は用事があるから後でいいや。出たらメール頂戴」
「あ、ああ。わかった」
………それにしてもアイツら、隠し事下手だな〜。
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