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星河の覇皇
第八十七部第三章 港の整備その二十七

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「ガムでも何でもだ」
「食べられますね」
「エウロパでは共和制の国でも大統領は駄菓子を食べられない」
「そうなっていますね」
「平民でもな」
 身分がそうであってもというのだ。
「それは出来ないが」
「連合ではですね」
「それはない、共和制の国家元首もだ」
 その彼等もというのだ。
「彼等が言う市民だからな」
「大衆ですね」
「大衆だからな」
「食べられますね」
「そうしたものもな、だが」
 ここでだ、タンホイザーは。
 少し考えてからだ、こう言った。
「以前の私はこうしたことは言わなかったな」
「そうでしたね」
 その通りだとだ、エリザベートも応えた。
「以前は」
「軍事のことばかりでだ」
「軍人としてですね」
「軍務の中で戦場でどう戦うか」
 このことをというのだ。
「常に考えていた、だが」
「それがですね」
「随分と変わった、政治のこともだ」
 これまで興味がなかったこちらのこともというのだ、事実タンホイザーはこれまで政治には興味がなかった。
 だが今の彼は。
「宇宙艦隊司令長官になりな」
「そしてですか」
「閣僚級の立場になった」
 エウロパではそうした立場だ、軍務大臣と統帥本部長そしてこの宇宙艦隊司令長官はエウロパ中央政府では軍の実際の責任者として実際に閣僚級の扱いとして総統の政治での会議にも出席するのが常だ。
 そしてその立場になってというのだ。
「そこで政治の話を聞きな」
「そうしてですか」
「政治のこともだ」
「考える様になったのですね」
「そうなった」
「そうですか」
「そうなるとだ」
 タンホイザーは妻にさらに話した。
「こうしたこともな」
「言われますか」
「これまでは軍を率いて戦う」
「それだけでよかったですか」
「艦隊や軍団、軍をな」
 規模は違うがどいうのだ。
「率いて戦うことは同じでだ」
「それで、ですね」
「それだけを考えてな」
 そのうえでというのだ。
「勝利を手に入れるだけでよかった」
「それがですね」
「宇宙艦隊司令長官になりな」
「政治に関わる様になって」
「そしてだ」
 そうなってというのだ。
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