キュエルゴエムが語る
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はお前の使用人でもお抱え吟遊詩人でもない、と思った。金持ちの家に生まれたカドマインタは、友人を召使のように扱う場面があり、今もそんな風である。多少ムカつくが、話をしていれば自分の気も紛れる。どれ、ここはいっちょ、凄いネタを披露してやっか。こういう緊迫した場面に相応しいギャグだ……とほくそ笑みつつキュエルゴエムは言った。
「このまま死ぬかもしれないから、思い残すことの無いよう、正直に言うよ。俺はお前を愛している」
船酔いに苦しんでいたカドマインタの忍耐が、その一言で限界に達した。噴水かクジラの潮吹きのように奇麗に嘔吐する。弧を描いた吐しゃ物がベルトで体を固定していて逃げられないキュエルゴエムの顔を直撃した。
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