第二章「クルセイド編」
閑話「コラボwith銀の守護騎士」その二
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手なら国外に居るとわかっただけで充分な収穫と言えるだろう。
だが相手は王国軍の英雄。そんな大物が時刻を離れて主君にも行き先を伝えず只管に身を隠す意味。
「……嫌だねえ。不吉な予感がプンプンするぜ」
取り合えずエレギオは腕を組んで目を閉じた。彼が考えを整理するときには何時もそうするのだ。
約120の並列思考を総動員して考察を組み立てる。
(エレボニアはねえ、リベールからあそこに入国するのは至難の技だ。
こんな短期間じゃあ『白烏(びゃくう』でも無理だ。『隻眼』に殺されに行くようなもんだしな……
クロスベルも除外だな。寄る可能性はあるがあんな不安定な土地を拠点にはしねえだろ。
となりゃカルバードか、それとも船使ったか……何にせよ共和国を調べる価値はあるな)
そして手元のノートにある国名を記す。『アルテリア法国』
「……馬鹿か俺は。ここはねえだろ」
話に聞いた限りではケイジと言う男はどうやら信仰心の薄い男らしい。そんな人間がよもや七曜協会の総本山たるアルテリアに足を運ぶのも変な話としか言いようが無い。下手をしたら一部の気が強い星杯騎士の逆鱗に触れる事にもなりかねない。特に守護騎士の機嫌でも損ねたら抹殺される可能性すらある。無論太刀打ちできない事は無いだろうが王国軍の英雄でも守護騎士第一位『紅耀石』セルナートには敵うまい。
(そういや第九位の奴元気にしてるかなー)
等と今でこそのほほんと思い浮べられているエレギオだったが、その恐ろしさは彼も骨身に染みて知っている。ちなみに守護騎士第九位とされるワジとは今でこそ仲の良い友人と言える相手だが殺し合いを演じた事もあるのだ。
「まあ何はともあれ方針は決まったな」
『目的地はカルバード共和国』とノートに大きくマーカーで記した。
エレギオは知らない。有り得ないと一蹴した土地こそ真の正解なのだと言う事を。
守護騎士第二位『氷華白刃』
その正体をエレギオは知る由も無かった―――――――
−−−−−−−−
共和国についてエレギオは真っ先に『天上眼』を発動させた。
「いるわいるわ……妙なのがたっくさん」
奇しくも、その折共和国ではある一つの事件起きていた。連続少女誘拐事件。世界的に誘拐と言う事件はそう珍しい訳ではない。だがリベールでは殆ど無かったが。その国民の倫理感の高さが伺える。平和とは最も縁遠い人種であるはずのエレギオはそれでも溜息をついた。
「リベールって本当に平和だったんだよな………」
早くもホームシックを感じて『妙なの』の中にケイジが居る事をエレギオは願った。元来ずぼらである彼は自ら厄介ごとに首を突っ込むと言う真似はしない。この少
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