第三十三話 回り道を終えてその十四
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「よいわ」
「それでは」
「飲もう」
「皆で、ではわしは白ワインを」
ネロはこちらの酒をと言った。
「そうしようぞ」
「わしもじゃ、日本酒もよいがな」
「ワインがいいな」
「我等はな」
「俺はシャンパンだ」
ゼットはこの酒だと言った。
「そちらだな」
「陛下はそちらですか」
「シャンパンにされますか」
「泡立つのがいいからな」
だからだというのだ。
「ここはな」
「わかりました、それでは」
「お持ちします」
「いや、自分で取る」
シャンパンはとだ、ゼットは二人に返した。
「手前等は手前等で取って飲め」
「そうですか、それでは」
「その様に」
「自分のものくれえ自分で取るさ」
こうも言ったのだった。
「だからな」
「皇帝ですから」
「その様なことは我等が致しますが」
「いいさ、俺がそうしたいからな」
だからだというのだ。
「特にな」
「気にしないことですか」
「それには及びませんか」
「ああ、じゃあ皆で飲んで食ってな」
「楽しむのじゃ。刺身と来ればじゃ」
有明の方は実に楽しそうに話した。
「やはりな」
「日本酒ですな」
「わらわはな」
晦に笑顔で応えた。
「酒も人それぞれであるが」
「奥方様は日本酒ですな」
「杯になみなみと注いでじゃ」
そうしてというのだ。
「飲むのじゃ」
「さすれば」
「そして〆はな」
有明の方はこちらの話もした、見ればもう昼食の準備は整っていて今すぐにも食べられる感じである。
「お茶漬けじゃ」
「そちらでありますな」
「そうじゃ」
まさにというのだ。
「それを食しよう」
「刺身となれば」
「姿焼きもじゃしな」
「それで日本酒ともなれば」
「〆はじゃ」
まさにというのだ。
「お茶漬けじゃ」
「最後はあっさりとですな」
「そうじゃ」
晦に上機嫌で答えた。
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