見滝原保育園
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べられるくらいにはメニュー充実しているし、ひなちゃんも退屈しないと思うけど、来てみる?」
ハルトの提案に、香子の目が泳いでいる。
もう一押しでもすれば、靡いてくれるのではないだろうか。
そう考えたハルトの頭に、妙案が浮かんだ。
「じゃあさ。俺が案内するよ。今日はシフトじゃないけど、少し安くしてもらうように頼んでおくから。ひなちゃんも一緒にどう?」
「私は……祐太はどう?」
「俺はいいよ。ひなも、うさぎさんに会いたいよな」
「うさぎー!」
この幼子は、ウサギの文字列を耳にした途端、顔を明るくしていた。
そんな彼女の顔を見て、祐太は「だったら」とハルトへ向き直る。
「食事も出来るなら、そこでいいかな。香子さんもいい?」
「え、ええ……」
香子の返答は、どこか釈然としないようだった。
喫茶店に行きたい上、ひなが喜んでいるから行きたい。一方、ハルトの提案には乗りたくない。
今香子はそんな狭間にいるんだろうか。
「ちょうちょ!」
だが、そんなことを考えていたハルトを、ひなの言葉が現実に引き戻す。
「蝶?」
この、保育園の一部にしか自然が残っていない住宅地に、今や生息地が年々減少している蝶がいる可能性は少ない。
見滝原に来てからも、中央公園や山の方などでしか見た記憶がない。そんな蝶が、今喜ぶひなの頭上にいる。
あの、変態紳士が爆発物として操るものと同じ蝶が。
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