暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
見滝原保育園
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「何でついてくるのよ」

 口を尖らせる香子。
 ゆりねの家を出て、一行は共に見滝原の住宅街を横切っていた。
 すっかり夕刻時になり、祐太の姪、ひなを保育園へ迎えに行く。彼と付き合っている香子も当たり前のように彼に付いていくが、彼女は冷たい目線ですぐ後ろのハルトとコウスケを睨んでいた。

「俺も下宿先こっちなんだよね」
「オレも、そこにちょいと寄って行こうかなって」

 ハルトとコウスケは、ともに苦笑する。
 美人が台無しになりそうなほどムスッとした顔の香子は、ふん、と鼻を鳴らした。

「……祐太、あなたの友達は随分と粘着質なのね」
「そう言わないでくれよ。前にひなを助けてくれたことがあるからさ。折角だし、ひなからお礼を言わせたいんだ」
「……」

 彼女には随分と嫌われたようだ。
 覚えのない敵意に、ハルトは苦笑を浮かべてコウスケに耳打ちした。

「コウスケ。祐太って人は、フロストノヴァのマスター候補でもあったんだよね」
「即無くなったがな。最近様子が変わってたんだが、彼女が出来て浮かれてただけだ。令呪もねえ」
「そっか。香子さんの方には……無いね」

 ハルトは、香子の手に注目した。だが、彼女の白く傷もない両手に、令呪などという醜い刻印はない。

「なあ、そもそも大学内にフロストノヴァのマスターがいるって方針から見直さねえか? そもそも理由なくいきなり大学に現れたからマスターも大学にいる可能性があるってのが無理あるだろ」
「それを言い出したら、今度は手がかりそのものがなくなるよ。実際に、マスターに鳴り得るゆりねさんだっていたんだ。フロストノヴァのことは考えないとしても、大学でマスターがいる可能性は捨てきれないと思う」
「ああ……結局そこに行きつくか」

 コウスケが項垂れる。
 そうしている間に、香子がハルトへ振り向いた。

「あなた、下宿先って言っていたけど……学生じゃないのよね?」
「フリーターだよ。今はラビットハウスって喫茶店で住み込みで働いているよ」
「喫茶店!?」

 その瞬間、香子の目の色が変わった。ハルトへ初めて、疑心以外の目が向けられる。

「どうしたの?」
「な、何でもないわ。……」

 途端に、香子は口を閉じる。
 だが、今の彼女は先ほどまでの警戒心からのだんまりではなく、自ら意識をして口に鍵をかけているようにも見えた。

「どうしたの?」
「だから、何でもないわ」
「そ、そう」

 その場は、それで流れる。だが、十歩も歩かないうちに、香子が口を開いた。

「ねえ、その……ラビットハウスって、どんなお店なの?」
「どんなって言われると……アンティークな雰囲気のお店、かな」
「あとウサギだな」

 コウスケの言葉に、ハルトは確かに
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