第七百七十一話 最初から略奪目的その一
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最初から略奪目的
ナンはアロアとベッカに共に鍋を囲みつまみを食べて酒を飲みながらさらに話した、三人共顔はすっかり真っ赤になっている。
「バイキングって交易に来てたのよね」
「一応ね」
「そうだったのよね」
二人もこう返した。
「それで来てたのよね」
「名目上は」
「実際に交易もしてたしね」
彼等はというのだ。
「必要とあらば略奪してただけで」
「そうよね」
「バイキングはそうだったわね」
「確かに神出鬼没で」
そうであってというのだ。
「強かったけれどね」
「剣や斧を使って」
「物凄く大きくて」
「とにかく怖かった」
「恐怖そのものだったわね」
「そうだったけれど」
それでもというのだ。
「交易目的でちゃんとね」
「交易してたから」
「略奪だけじゃなくて」
「まだまし?これがね」
ナンはさらに話した。
「モンゴルだとね」
「最初から略奪ね」
「それが目的ね」
「三国志の董卓や呂布だって」
演戯では悪役と言っていい彼等はというと。
「遊牧民の考えで動いていたし」
「つまりモンゴルね」
「そっちね」
「敵を攻めてものを奪う」
そうした行為はというのだ。
「生きる為に必要で」
「略奪は産業」
「遊牧民の国家にとっては」
「そうよ、むしろね」
「むしろ?」
「むしろっていうと」
「敵それも持ってる相手から奪って何が悪い」
ナンはサラミを食べてその塩味を楽しみつつさらに言った。
「そうした考えでね」
「略奪していたのね」
「そうだったのね」
「董卓も呂布もずっとその中にいたから」
遊牧民、当時は匈奴がまだ存在していた。
「それでね」
「遊牧民の考えで動いていて」
「略奪していたのね」
「そうよ、董卓は馬に乗ってね」
そうしてというのだ。
「両利きで左右に弓を交互に放てたっていうけれど」
「それ遊牧民ね」
「遊牧民が出来たことね」
「両利きは董卓自身のことだけれど」
彼の個性だというのだ。
「馬に乗って弓を使うって」
「そのまま遊牧民ね」
「あんたがさっきお話してくれた通りに」
「そうよね」
「まさに」
「そう、そしてね」
ナンは話を続けた。
「呂布も馬に乗って弓の達人だったし」
「あれよね」
呂布の弓と聞いてだ、アロアは言った。
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