九十 めぐりあい
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うこと。
あれだけ勝手な振る舞いをして、あれだけ酷い裏切り行為をした自分を。
木ノ葉に受け入れると。
そう言っているも同然のシズネに、アマルの顔が次第に歪む。
大蛇丸のもとにいても『暁』にいても抑え込んでいた感情が、今、涙となって溢れ出す。
叩かれて赤くなったアマルの頬につたってゆく涙を見て、シズネもまた、再会の喜びに涙をぽろりと流した。
「…ナルちゃんには?会ったの?」
「…………」
ようやっと落ち着きを取り戻したシズネはアマルに訊ねる。
アマルとナルは、綱手を五代目火影になるよう自来也が説得している間、仲良くなった友達だ。
けれどシズネの質問に、力なくアマルは首を振る。無言の返答を受けて、普段は優しくておとなしいシズネにしては珍しく、アマルを厳しく叱りつけた。
「ナルちゃんはずっと貴女のことを案じていたし、今もずっと心配している。会って、ちゃんと話さないと」
シズネの厳しくも正しい叱責を受け、暫し無言で顔を伏せていたアマルは随分間を置いてから、ようやく小声の本音を絞り出した。
「………合わせる顔がない」
そうだ。合わせる顔がない。
あれだけ敵になると明言しておいて。あんなに傷つけておいて。あれだけ明確に敵対しておいて。
今更。
唇を噛み締めて項垂れるアマルにシズネが話しかけようとしたその時、「失礼」と見知らぬ誰かが声をかけてきた。
仮の火影室である臨時のテント内へ足を踏み入れてきた女性は、木ノ葉では見慣れない顔。
怪訝な顔をしつつも寸前までアマルとの再会に涙していた顔を引き締めて、火影の側近としてシズネは対応に応じた。
「お取り込み中、失礼する。火影様に面通しをお願いしたい」
雲隠れからの使者。
彼女は雷影からの手紙を預かってきたと訪問理由を告げるや否や、肝心の火影がいないことに顔を顰める。
一方、突然の訪問に同じく怪訝な顔をしつつも、シズネは火影の側近としてその手紙を預かると申し出た。
後方で双方のやり取りを窺っていたアマルは、五代目火影たる綱手が行方不明だと雲隠れの使者に説明するシズネの話を聞いて、飼い主同様久々に再会したシズネの飼い豚であるトントンを抱っこする力が強くなる。
トントンがもがき苦しんでいるにも気付かず、彼女はシズネと雲隠れの使者とのやりとりに耳を傾けていた。
「ならば火影の代理の方でもいい。手紙をすぐにでも見て返事をいただきたい。雷影は急いでいます」
「しかし…」
「その手紙はワシが拝見いたそう」
催促する雲隠れの使者との会話に、困り果てていたシズネは急に割り込んできた男の姿を見て、眼を見張る。
無遠慮にテントへ入ってきた男は忍びの闇と称され、五代目火影ともよく
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