九十 めぐりあい
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「ナルねーちゃんと馴れ馴れしくしやがって!よそ者のくせに生意気だ、コレ!」
「はああああ!?ナルの姉ちゃんは恩人なんだから当たり前だろっ!おまえこそ何様のつもりだ!?」
額と額を小突き合わせて、ギリギリと歯噛みする。
ナルの弟ポジションという似たような立ち位置である両者は自分の居場所が取られると思って、お互いをライバルと認識した。
一方で木ノ葉丸とイナリに争われている当の本人は「二人とも急に仲良くなってすごいってば…!」と眼を丸くして拍手している。
完全に蚊帳の外になっていたカカシ・ヒナタ・タズナはナルのとんちんかんな発言に、脱力するのだった。
「アマル…!」
仮の火影室として臨時的に設置されたテント。
其処へ自来也と大蛇丸に連れられて木ノ葉の里へやってきた見覚えのある顔に、綱手の側近であるシズネは驚愕のあまり、一瞬、言葉を忘れた。
五代目火影である綱手が行方不明になり途方に暮れていた頃の来訪者が、まさか自分の妹弟子だなんて夢にも思っていなかったのである。
アマルは、綱手が五代目火影に就任する以前に旅を共にしていた子どもだ。
医療技術に長けている為、綱手が弟子にした彼女は、シズネにとっては妹弟子にあたる。
だから大蛇丸の甘言に惑わされ告別した時の哀しみは計り知れなかった。
妹弟子を可愛がっていたシズネも、綱手と共に、敵になってしまったアマルを日々案じていた。
故に、死んだとばかり思っていた自来也が生還し、更に仇敵であるはずの大蛇丸が何故か帰還してきただけでも理解が追い付かないのに、アマルの登場でシズネの思考回路は一瞬停止してしまう。
それでもハッと我に返った彼女は、不安げに立ち竦むアマルへずんずんと近づくと、いきなりその頬をピシャリ、と叩いた。
突然のシズネの突拍子もない行動に、ビクリ、と肩を跳ねあげる自来也の傍ら、なんとなく察した大蛇丸が「今はそっとしときましょう」と自来也を促して、その場から離れる。
テントから出て行った意外と空気の読める大蛇丸に軽く会釈をしたシズネは、急に頬を叩かれて呆然としているアマルを今度は力の限り、抱き締めた。
「あ、あの…」
「…綱手様はこんなものじゃ済まないからね」
言いよどみ、視線を彷徨わせるアマルを抱き締めながら、シズネはくぐもった声で脅し文句を口にする。
勝手に大蛇丸のもとへ行き、勝手に敵対し、勝手に木ノ葉にやってきた自分勝手な妹分を、シズネはビンタ一発で許したが、綱手は拳骨十発くらいは覚悟しておいたほうがいいだろう。
骨折しても文句を言うな、と暗に告げられたアマルは抱きしめられながら、しゃっくりを上げ始めた。
それはつまり、許すとい
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