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星河の覇皇
第八十七部第三章 港の整備その二十四

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「ウォッシュチーズよりもか」
「あのチーズもかなりの匂いですね」
「私はあの匂いも好きだが」
 これはその味を知っているからである。ウォッシュチーズの味が美味いものであるということをである。
「その匂いがな」
「非常にですね」
「いいがそのウォッシュチーズよりもか」
「その様です」
「そして連合には悪臭のする料理も多いが」
 タンホイザーはこのことも話した。
「彼等は宴の場でも出していたな」
「色々ありましたね」
「特に日本や韓国の料理がな」
「悪臭がしましたね」
「そうだった、納豆だのキムチだのを使った料理がな」
「かなりでしたね」
「くさやもな」
 連合側はこの料理も宴に出したのだ、そしてエウロパの面々に連合の料理文化の豊かさを見せる為に出したのだ。
「あったが」
「あちらもでしたね」
「恐ろしい悪臭だった」
「勿論ウォッシュチーズもありましたし」
「どれも悪臭だった、だがシュールストレミングはか」
「はい、私も食べたことはないですが」
「日本や韓国の料理よりもか」
「恐ろしい匂いがするとか」
 こう夫に話した、見れば彼女もジャガイモ料理を楽しんでいる。そうしながら赤ワインも飲んでいる。
「外でないと口に出来ない」
「そうなのか」
「缶を開くとです」
 そうすればというのだ。
「そこから悪臭が出てです」
「室内だとその悪臭が充満するか」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「室内ではです」
「口に出来ないか」
「そうです」
 そうした料理だというのだ。
「これが」
「そこまでとはな」
「何でも連合でもあるとか」
 今も話に出た彼等にもというのだ。
「どうやら」
「あの国にもか」
「その話を聞いてです」
 そうしてというのだ。
「自分達でもです」
「作ったのか」
「その様です」
「愚かと言うべきか勇気があると言うべきか」 
 さしものタンホイザーもこう言った、その声は若き時に比べてモンサルヴァート程ではないが重厚さもあった。それだけ年齢と経験を重ねてきたのだ。
「これは」
「愚かではないですか」
「私も連合は嫌いだ」
 これはエウロパの者だからだ、連合もエウロパもお互いを嫌い抜いているのだ。
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