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星河の覇皇
第八十七部第三章 港の整備その二十二

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「このジャガイモ料理もだ」
「食べ尽しますね」
「彼等は食べ散らかすことはしない」
 エウロパではよくそう言われる、先のエウロパ戦役での暴飲暴食があまりにも印象的であったからである。
「私が思うにな」
「では何かといいますと」
「食べ尽すのだ」 
 散らかすのではなくというのだ。
「そうなのだ」
「言われてみますと」
 シェフも彼等のことを思い出しつつ述べた。
「彼等はそうでした」
「そうだったな」
「はい、食べ残さずです」
「あらゆるものをな」
「食べていき」
「食べ尽すな」
「跡には何も残しません」 
「それでこのジャガイモ料理もだ」 
 これもというのだ。
「食べ尽す」
「そうなりますか」
「エウロパの料理には味が薄いだの散々言ってくれたがな」
「それでもですか」
「これなら文句は言わない」
 そこまでの味だというのだ。
「彼等でもわかる味だ」
「ではそのことを」
「そのシェフに伝えてくれ」
「その様に」
 シェフも頷いて応えた。
「させて頂きます」
「ではな。ジャガイモは毎日どれだけ食べてもな」 
 タンホイザーは自分の食の好みのことも話した。
「飽きることはない」
「主食だからですね」
「パンと同じだ」
 妻にも微笑んで話した。
「それ故にだ」
「毎日どれだけ召し上がられても」
「飽きない、だからな」
 それでというのだ。
「美味いならな」
「それならですね」
「何よりだ」 
 まさにというのだ。
「だから今日は満足している」
「そうですか」
「そうだ、そして飲むものはな」
 今度は赤ワインを飲んで話した。
「これだ」
「ワインですね」
「ビールも嫌いではないが」
 それでもというのだ。
「私としてはな」
「ワインがお好きですね」
「そして今もだ」
「ワインを飲まれますね」
「赤をな。会議の時もな」
 軍議のその時もというのだ。
「飲むものはだ」
「赤ワインですか」
「最近はそうしている」
「左様ですか」
「シャンパンや白ワインの時もあるが」
「今はですね」
「これだ」
 赤ワインだというのだ。
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