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星河の覇皇
第八十七部第三章 港の整備その二十一

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「今日の食事だが」
「如何でしょうか」
「美味い、特にだ」 
 その食事を楽しみながら話した。
「アイスバインとジャガイモがな」
「よいですか」
「いいジャガイモだ」
 こう言うのだった。
「どの産地だろうか」
「そのことでしたら」
 妻は夫の言葉を受けて傍に控えるシェフに顔を向けて話した。
「シェフに」
「聞くことだな」
「そうさせては」
「わかった。では聞きたいのだが」
 タンホイザーはシェフに穏やかな声で問うた、貴族は使用人に対しては常に穏やかにかつ絶対に怒らないというマナーを彼も守っている。
「これはどの産地のジャガイモか」
「はい、アンスバッハ星系です」
「確かそれは」
「産地は変わりません」
「そうなのか」
「ジャガイモの種類も」
 こちらもというのだ。
「変わりません」
「そうなのか」
「はい、ですが」
「それでもか」
「実は新しいシェフがです」
「腕がいいのか」
「彼に作らせたところ」
 そのジャガイモ料理をというのだ。
「この通りです」
「美味くなったか」
「どうもジャガイモ料理に才能があるらしくて」
「それはいいことだ、ドイツだ」
 この国だからだとだ、タンホイザーはそのシェフの話を聞いて述べた。今彼はオリンポスにいるが領地はそこにあるのだ。
「それならだ」
「ジャガイモ料理が得意なら」
「それだけで違う」
「ドイツ料理でジャガイモは主食です」
「他のエウロパの国の多くがだがな」
「特にです」
 まさにというのだ。
「我が国はそうですね」
「フリードリヒ大王の頃からな」
 プロイセンを大国に押し上げ後のドイツの軸にした彼からというのだ。
「まさにな」
「我が国はですね」
「ジャガイモは主食だ」
「パンと並ぶ」
「だからそのジャガイモがいいとな」
 それならというのだ。
「それだけでだ」
「全く違いますね」
「そのシェフは素晴らしい」
 若いジャガイモ料理が得意な彼はというのだ。
「ならこれからもだ」
「ジャガイモ料理はですね」
「頑張ってもらう、そしてだ」
「これからもですね」
「よりよいジャガイモ料理を食べたい」
 是非にというのだ。
「だからな」
「ではその様にお伝えします」
「宜しくな。連合軍ならばだ」 
 タンホイザーは笑ってこうも言った。
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