暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第222話:悪魔の取引
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も、心はどうしようもない位奏の事を引き止めたくて思わず手を伸ばしそうになってしまう。それを颯人が遮った。彼は奏に向けて伸びそうになる手を押さえ、代わりに彼が手を伸ばして奏の頬に掛かっている髪を指で梳く様にかき上げ頬に手を当てた。
「あぁ……直ぐ助けに行ってやるから、待ってろよ」
「うん……」
そう言うと2人はそっと顔を近付け合い、短くキスをすると奏は頬に触れている颯人の手に自身の手を重ねて名残惜しそうに離れる。そして未来と共に前に進む最中、ベルゼバブからギアペンダントを手放すよう告げられる。
「あぁ、そうそう。言い忘れる所だった。天羽 奏はギアペンダントを置いていけ。あちらで暴れられては堪ったものではないからな」
ベルゼバブからの要求に奏は小さく鼻を鳴らすと、首から下げているギアペンダントを外し親指で弾く様に翼に向けて放った。奏から託されたギアペンダントを、翼は大事な宝石を扱うように受け取った。
「うわ、と……奏!」
「暫く預ける。なるべく早くに返しに来てくれ」
「あぁ……分かった!」
「任せとけ」
翼と颯人の言葉に、奏は安心したように笑みを浮かべた。そして未来と共にベルゼバブの傍に近寄ると、それを待っていたかのように数人のメイジが現れ2人を後ろ手に拘束した。
「うぁっ!?」
「い、つ!? おいおい、ゲストはもうちょっと丁寧に扱えよ」
成す術もなく拘束される奏と未来の2人を、颯人達は何も出来ず見ているしか出来ない。その間に2人は転移魔法で連れ去られ、ミラアルクも姿を消してしまった。
残されたのは颯人達とベルゼバブのみ。ベルゼバブは一応の目標が達成できたのか、満足そうに頷き颯人達を煽る様に優雅に一礼をしてから自身も姿を消した。
「それでは、御機嫌よう。そう遠くない内に、また会う事になるだろう。それまではどうか元気で」
そう言ってベルゼバブは姿を消し、周囲には静寂が訪れた。
敵が全て居なくなった瞬間、響と翼は共に大切な者が連れ去られ悔しさと悲しさに崩れ落ち涙を流した。
「未来……!?」
「う、うぅ……奏……すまない! 必ず、必ず助けるから……!」
「グスッ……待ってて、未来……!」
未来と奏を助けることを決意しながらも涙を流す2人の少女。一方、颯人は奏が連れ去られたというのに驚くほど静かであった。そんな彼の様子が心配になり、エルフナインが近付こうとするもそれはアリスにより止められた。
「あの、颯人さん……」
「エルフナインさん、今はダメです」
「え? でも……」
颯人にも何か一言掛けた方が良いのではないかと言うエルフナインだったが、母親であるアリスには分かっていた。今の颯人は噴火直前の活火山、迂闊に刺激するのは得策ではないという事が
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