暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第222話:悪魔の取引
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翼を追い詰めていた時の威勢は何処へ行ったのか、今度は一方的に追い詰められていくベルゼバブ。翼達がその様子を見ていると、彼女達の元に奏と響、そして颯人がやって来た。

「翼、大丈夫かッ!」
「未来ッ! エルフナインちゃんッ!」
「奏ッ!」
「ん? ありゃベルゼバブと……母さんか」

 傷だらけになりながらも未来達を守るべく立ち塞がっている翼を、奏と響が左右から支える。響は彼女に守られていた未来達に傷一つない事に、翼の奮闘を垣間見て彼女に感謝の言葉を述べた。

「ありがとうございます翼さん! 2人を……未来を守ってくれて!」
「立花……」

 響の言葉に翼は改めて自身が守った2人の姿を見て、人を守るという事、自身にとっての防人としての在り方を再認識できた。訃堂の様に大局にのみ目を向けるのとは違う、すぐ目の前にいる人々を守る為の防人。
 その彼女を肯定したのは響だけではなかった。

「翼……さっきは悪かった。あんな言い方しちまって……」
「奏ッ!? そんな、私の方こそ意固地になって……」
「でも、やっぱ凄いよ翼は。流石アタシの相棒だ、頼りになる!」
「ぁ……」

 響に続き、奏からも認められた。防人としての自分は、颯人達を追い詰めている訃堂に近しい存在。そんな自分を奏が拒絶するのではないかと、心の何処かで恐れていた。だがそれは杞憂だった。防人かどうかなど関係なく、奏は翼を相棒として隣に立つべき存在と見てくれていたのだ。それを理解して、安堵と嬉しさに思わず翼の目に涙が浮かぶ。

「そっか……よかった……!」
「お、おいおい翼? どうしたいきなり?」
「ちょちょ、翼さんッ!?」

 突然目に涙を浮かべた翼に焦る奏と響。2人の反応が面白くて、こんな状況だというのに翼は思わず笑みを浮かべてしまった。

 背後で行われているやり取りに、颯人は仮面の下で小さく笑みを浮かべながらアリスの隣に立ち目の前で膝をついているベルゼバブを見やる。

「で、コイツ今どういう状態?」
「私のファウストローブの力で、満足に魔法を使えない状態にしています。完全に無力化するなら今の内です」
「オーケー、そう言う事なら!」

 颯人は輝彦経由で取り戻した指輪の一つ、フレイムドラゴンを使ってパワーアップすると容赦なく必殺技のストライクウィザードを発動。さらにアリスの演奏のバックアップを受けて、魔法の威力を倍増させた一撃をベルゼバブに叩き込んだ。

〈チョーイイネ! キックストライク、サイコー!〉
「さぁ、これで幕引きだ!」
「させるかぁぁぁッ!」

 颯人が放った魔力を集束させての飛び蹴り。ベルゼバブはそれを逆にアリスにお見舞いさせようと空間を繋げて同士討ちさせようと目論む。だがアリスの演奏は颯人のバックアップだけでなくベ
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