第八十四話 三つの世界の主神達その十二
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「ポセイドンさんは海界即ち水でな」
「ハーデスさんは冥界即ち闇で」
「ゼウスさんは天界でな」
その世界の主神でというのだ。
「雷や」
「その雷にどう向かうか」
「これまで通りな」
「雷に有利な属性になる」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「戦おうな」
「そうしような」
「今回もな」
こう話してそのうえでだった。
一行は雷に強い属性に自分達のそれを変えてそうしてだった、そのうえでゼウスと戦う。そうしてだった。
やはりゼウスの雷撃は強力で全員相当なダメージを受けたが勝利を収めることが出来た。するとゼウスは一行に笑顔で言った。
「よく勝った、では上に行くがいい」
「そうさせてもらいます、そやけど」
綾乃はゼウスに答えてこう言った。
「かなりのダメージを受けたので」
「それでだな」
「一旦です」
「下の階の宿屋に入り」
「気力と体力を全快させます」
「そうすることだ、ではな」
ゼウスは綾乃に厳粛だが優しさもある声で告げた。
「これよりな」
「休んできます」
「そうするのだ」
「ほな」
「しかしだ」
こうもだ、ゼウスは告げた。
「そなた達不満を持ったことはないか」
「何にですか?」
「この塔の中にある宿屋についてだ」
綾乃達が泊まってきてこれからも泊まるそこのことにというのだ。
「思わぬか」
「不満をですか」
「夜伽をする美女や美少年がいないかとな」
「あっ、そういえば」
綾乃も言われて頷いた。
「そうした宿屋ないですね」
「この塔ではな」
「ほんまに」
「いかがわしい宿屋や酒場は多くある」
ポセイドンも言って来た、何処か好色そうに。
「しかしこの塔にはな」
「あらへんですね」
「それが不満ではないか」
「いえ、そんなこと考えたことないんで」
綾乃は実際にと答えた。
「そうですさかい」
「だからか」
「はい」
まさにというのだ。
「特にです」
「そうなのだな」
「といいますか」
さらにだ、綾乃は言った。
「うち等ほんまにです」
「そうしたことまではか」
「考えてませんでした」
「我等はだ」
ポセイドンはあらためて話した。
「そうした欲を感じるとな」
「それやとですね」
「迷うことなくだ」
それこそというのだ。
「動いていたが」
「あの、うち等はそこまではとても」
綾乃はポセイドンのその言葉に引きつつ答えた。
「せえへんので」
「宿屋にそうしたことがなくてもか」
「お風呂があって」
そうしてというのだ。
「お酒に食べものがあれば」
「それでいいか」
「はい」
そうだというのだ。
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