第八十四話 三つの世界の主神達その十一
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「悪ではない」
「そうですね」
「むしろ善神にだ」
「入りますね」
「別に悪事をする訳ではない」
冥界の主神であってもというのだ。
「冥界を治め秩序を保つ」
「そうした神であって」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「他の世界にこれといってな」
「介入しないですね」
「兄弟達の領分にもな」
天界にも海界にもというのだ。
「そうだしな」
「それで悪神やないですね」
「左様、冥界は決して悪でなくな」
そうでありというのだ。
「そして闇もだ」
「悪やないですね」
「善とは何か、悪とは何か」
ハーデスは言った。
「それはその場所や属性では決まらん」
「そのことをですね」
「よく理解してな」
「ことを為すことですね」
「左様、では戦おう」
こう話してだった。
ギリシアのそれぞれの世界の主神達は一行に戦という試練を与えてきた、ハーデスは闇のポセイドンは海の嵐を繰り出し。
ゼウスは無数の雷撃を放って来た、そのうえで言うのだった。
「はっはっは、どうじゃわしの雷は」
「想像以上です」
綾乃は自分達を襲うその雷を必死に防ぎつつ答えた。
「ほんまに」
「そうであるな」
「はい」
実際にというのだった。
「ほんまに」
「そう簡単には勝てぬぞ」
「そうですね、これは」
「しかし勝たねばだ」
ゼウスは笑って話した。
「上には進めぬ」
「そうですね」
「決してな」
「強烈過ぎる雷や」
シェリルが言って来た。
「それやとな」
「ここでも属性やね」
「雷に強い属性にや」
それにというのだ。
「私等のそれを変える」
「そこからやね」
「強大な力にはな」
それにはというのだ。
「何を以て向かうか」
「知恵と工夫やね」
「それでや」
この戦でもというのだ。
「その二つを使ってな」
「戦うことやね」
「そや」
まさにというのだ。
「そうしてこな」
「ほな今から」
「属性切り替えるで」
「そうすることやね」
「ゼウスさんはまさに雷そのものや」
そう言っていいまでに雷の属性が強いというのだ。
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