第百四十四話 教会に行ってその十五
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「糖尿病にもよ」
「なるわね」
「そうなっても不思議じゃなかったし」
「実際にそうじゃなかったかってお話あるのね」
「出陣しても飲んでいたそうだし」
陣中でも酒を欠かさなかったことでも有名だ、質素な暮らしであったが酒は毎晩大いに飲んでいたのだ。
「そりゃ糖尿病にもね」
「なってもおかしくないわね」
「あと肝臓もね」
「危なそうね」
「謙信さんはね」
「そこまで言うと急に弱く思えてきたわ」
一華は眉を曇らせて述べた。
「どうもね」
「ああ、やっぱり」
「ええ」
実際にというのだ。
「そうなってきたわ」
「私もこうしたお話聞いてね」
「思ったのね」
「無敵と思われた謙信さんも」
その彼もというのだ。
「お酒と塩分にはね」
「勝てなかったのね」
「そうだったのよ」
「それで四十九歳でだったのね」
「今だとまだまだでも」
人生はというのだ。
「それでもね」
「若くで」
「お酒そして塩分は怖い」
「過ぎたら」
「そう思ったのよ」
「梅干しにしてもそうなのね」
「ええ、しかしね」
「しかし?」
「いや、謙信さんってそれでも恰好いいわよね」
一華にこうも言ったのだった。
「戦では最強で毘沙門天を信仰していて毅然としていて正々堂々としていて」
「確かにそうね」
一華も否定しなかった。
「あの人は」
「そうでしょ」
「何でもマントも持っていたそうだし」
「南蛮の」
「それを持っていてね」
そうしてというのだ。
「羽織っていて」
「そのことも恰好いいわね、兎に角ね」
留奈はさらに話した。
「あの人は恰好いい」
「そのことは確かね」
「誰よりもね」
それこそというのだ。
「少なくとも戦国時代は」
「一番恰好いいわね」
「幕末だと坂本龍馬さんで」
一番恰好いいのはというのだ。
「それでね」
「戦国時代は謙信さんね」
「何と言ってもね」
「私は織田信長さん好きだけれど」
一華は自分の好みの話をここでした。
「確かにね」
「恰好いいでしょ」
「ええ」
留奈にまさにと答えた。
「あの人は」
「その謙信さんもね」
「塩分には勝てなかった」
「だから健康的に長生きする為に」
「梅干しは一食一個ね」
「そうしていくわ」
こう言うのだった。
「これからもね」
「それじゃあね」
「ええ、一個ね」
二人でこうした話をしてだった。
一華は昼に留奈に梅干しをあげてプチトマトを貰った、そうして食べたプチトマトは何時に美味いものだった。
第百四十四話 完
2024・8・1
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