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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#9
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魔術が放たれるのと同時に────騎士や私兵たちが変異オーガに攻撃すべく走り出す。
まず、ダズロから見て右側にいる変異オーガが動いた。一歩踏み出し、もう1頭を背に庇うように前に出る。
一方、後ろにいる変異オーガは、自分たちに迫る来る騎士や私兵たちに向き直った。
後は、もう同じパターンだ。
魔術も多数の剣も────変異オーガが大きく振るった棍棒によって、すべて薙ぎ払われた。
魔術を掃った変異オーガは、その大股でこちらに踏み込む。たった一歩で、変異オーガはダズロたちのすぐ眼前に立った。
「っ散開しろッ!!」
魔術師たちに叫びながら、ダズロは馬を蹴って、棍棒を振り上げる変異オーガに向かって駆け出した。
あの棍棒をどうにもできないなら────変異オーガの懐に飛び込むしかない。
甲冑を纏ったダズロの重量をものともせず、愛馬は猛然と駆ける。
ダズロの意図を察したセロムが並走する。
棍棒がある程度まで振り下ろされたところで、ダズロとセロムは左右に分かれた。
棍棒は二人を捉えることなく、地面へと食い込む。
ダズロは左方向、セロムは右方向に回り込んで、変異オーガの懐を目指す。
変異オーガはすぐに棍棒を持ち上げ、ダズロに狙いを定めたようで、棍棒を振り被った。
ダズロが回避しようとしたとき、不意に変異オーガに水槍と旋風が襲い掛かる。
勿論、それらは棍棒に掻き消され、変異オーガに届くことはなかったが────気を逸らすことには成功した。
ダズロとセロムは、馬の背に当たらないよう斜めに背負っていた両手剣を抜きつつ、変異オーガの足元に駆け込んで、同時に剣を振るう。
変異オーガが地を蹴って、後方へと跳び────ダズロとセロムの剣は、切っ先が掠めることすらなく空振った。
変異オーガがダズロとセロム目掛けて、棍棒を振り下ろす。
二人は馬首を返そうと手綱を引くが、回避は間に合いそうもなかった。
「放て─────ッ!!」
右方向から、そう声が響き────幾本もの火矢や水槍が、変異オーガに降り注ぐ。
それに気づいた変異オーガは、振り下ろそうとしていた棍棒の軌道を強引に変え、魔術を掻き消そうと迎え撃つ。
反射的に視線を遣ると、ウォレム=アン・ガラマゼラが、残りの魔術師を従えていた。
「上空に向かって構えッ!撃て─────ッ!!」
間髪入れずに、また声が響いた。これはアダン子爵だ。
ウォレム率いる魔術師隊の横に、弩隊と騎馬隊が縦二列になって整然と並んでいた。
無数の矢が上空に向かって放たれる。
矢は、ある程度まで飛んだ後、下に向かって降り注ぐ。
真っ直ぐ飛ばすより威力は落ちるが───弩隊
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