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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#9
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線を前線に戻した。すでに、オーガを討ち終えた集団が、騎馬隊の刃を免れたオークに攻撃を仕掛けている。
後方に新たなオークの一団が見えたが、まだ距離がある。
騎馬隊を突入させるなら、もっと近づいてからの方がいいだろう。
「騎馬隊は双槍の陣形を保ったまま、最前列で待機!」
(次の一団を殲滅させたら、交代させるか)
今のところ有利な状況で戦えているので、どの部隊ももう少しやれそうだが────余力があるうちに交代させる方がスムーズにいく。
(
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)
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ち
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・
)
に
(
・
)
、魔物の数を減らしておかなければ────)
鋭く情勢を窺いながら、ダズロは無意識にそんなことを考えていた。
◇◇◇
「今のところは順調ですね」
「ああ」
傍らに控えるセロムの呟きに、ダズロは戦況から眼を離さずに頷いた。
何度か部隊の入れ替えを繰り返し────今オークの群れと戦っているのは、アルゲイド侯爵隊、ゲルリオル伯爵隊、ガラマゼラ伯爵隊だ。
途中、騎馬隊と弩隊も交えて、絶え間なく攻撃し続けてきたおかげで───スタンピード後方に群れる魔物の数は、目に見えて減っている。
魔物の群れに終わりが見え、あと少しで殲滅できそうなところまできた。
幸いなことに、ケガ人も数えるほどしか出ていない。
利き腕を折った兵を除いて、待機中に応急措置をしたら復帰できるような軽傷ばかりで、戦力は維持できている。
(そろそろ、交代させた方がいいな)
そう思い、バルデイン伯爵隊、ドレアド伯爵隊、グレミアム伯爵隊の出撃準備をさせようと口を開いたとき────不意に、何か言い知れぬものが、ダズロの背筋を走り抜けた。
心臓の鼓動が、耳の奥で大きく鳴り響く。
(何だ…?────何か…、嫌な予感がする)
これは、いつもの────これまで、何度も死地を切り抜ける切っ掛けとなった────ダズロの“勘”だ。
しかも、いつもより顕著に感じた。
「旦那様?」
ダズロの様子に気づいたセロムに声をかけられたが、答える時間も惜しく────ダズロは補佐であるアダン子爵に命じる。
「アダン!至急、第二弩隊の装備を盾に持ち替えさせ───第二弩隊のクロスボウを、騎馬隊に装備させろ!」
「はっ!」
ダズロの許に配属されて長いアダン子爵は、当然、ダズロの“勘”について知っている。
すぐさまダズロの命を実行すべく、馬首を返して駆けて行った。
「準備が整い次第、アルゲイド侯爵隊、ゲルリオル伯爵隊、ガラマゼラ伯爵隊を撤退させる」
「かしこまりました」
セロムがそう返答すると同時に────ダズロの嫌な予感を裏付けるように、オークの群れの向こうに
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