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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#9
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。
実際には、通常のオーガなら、1頭当たり2〜3名で十分討伐は可能だ。勿論、ダズロやセロムのような実力者ならば、一人でも事足りる。
クロスボウによって傷を負っていることもあり、どの部隊も苦戦することなくオーガを次々に討ち取っていった。
そう時間もかからずに手負いのオーガをすべて討ち取ると、その後方からやって来た一団と戦い始めた。
騎士や私兵たちが、相手取る敵を定めて囲い込む。数的に勝っていることが幸いして、有利な状況に持ち込めていた。
ドレアド伯爵子息も、落ち着いて指揮を執れているようだ。
戦況を窺っていたダズロは、味方部隊の様子に目を配っている間に、後方から近づいてくるのが、オーガではなくオークに替わっていることに気づいた。
オークはオーガよりも弱いとはいえ、それでも屠るにはそれなりに労力がいる。
それに―――迫り来るオークの一団は、オーガの一団に比べ数が多い。
「騎馬隊、最前列へ!」
待機中のアルゲイド侯爵隊、ゲルリオル伯爵隊、ガラマゼラ伯爵隊の合間を抜け、馬に跨った“デノンの騎士”たちが最前列へと躍り出る。
「双槍の陣形!」
ダズロの命を受け、騎馬隊が二手に分かれて───さらに二列になって縦に並んでいく。
どちらも同じ配列で、先頭に3名並び、その後ろに2名ずつ並ぶ。
「騎馬隊、構え!」
先頭の真ん中に位置する騎士だけ正面に、それ以外の騎士は仲間がいない方向───右側に並ぶ騎士は右方向に、左側に並ぶ騎士は左方向に向けて、剣を構える。
「騎馬隊────突撃!」
騎馬隊が駆け出す。騎馬隊は一糸乱れることなく、陣形を保ったまま猛然と奔る。
そして────それぞれ、バルデイン伯爵隊とドレアド伯爵隊の合間、ドレアド伯爵隊とグレミアム伯爵隊の合間を駆け抜け、その後方に迫っていたオークの一団に突っ込んだ。
先頭の中央に位置する騎士が前方のオークを薙ぎ払い、その両脇の騎士二人が、左右のオークを斬り裂きながら、騎馬隊は進む。
ある程度まで、オークを斬り裂き───蹴散らしつつ前進すると、騎馬隊は進路を変えて、それぞれ道の端に向かった。
左側の騎馬隊はバルデイン伯爵隊の左方を───右側の騎馬隊はグレミアム伯爵隊の右方を奔り抜け、本陣へと戻って来る。
(さすが───“デノンの騎士”だ)
ダズロが思わずそう感嘆するほど、左右どちらの騎馬隊も、戻るまで───いや、戻って整列して、動きを止める瞬間に至るまで、足並みが一切乱れることがなかった。
ダズロが率いる虧月騎士団も、騎馬での動きはかなり統率がとれていると自負しているが、ここまでではない。
騎馬隊に負傷者などいないことを確認すると、ダズロは視
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