第53話(三章終了)
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「ああ、クロスベルの”アルカンシェル”とのコラボ公演か。”アルカンシェル”のアーティストとしても所属することで女優とアーティストの二重生活を送ることになるそうだがアルカンシェルがあの姉妹を最大限にサポートするとの事だからな。ま、あの姉妹なら何とかやって行けるだろ。」
「ハッ、裏についても胡散臭えが表のコネも随分増えたじゃねえか?トップ女優どもに売れっ子監督、将来有望な踊り子姉妹、元伝説の凶手兼アルカンシェルの”舞姫”にクロスベルの”英雄”たちとはなぁ。…………さぞやに下がって鼻の下延ばしてんだろ、オイ?」
「やにさがる…………?」
「…………ヴァンさん?」
アーロンのヴァンへの指摘の意味がわからないフェリが首を傾げている中、意味を知っているアニエスはジト目でヴァンを見つめた。
「ねえっつの………人聞き悪ぃ事を言うな。大体な、お前らも含めてここまで手広くやるつもりは無かったんだからな?それが今やGIDやエルザイム、果てはメンフィル・クロスベル連合方面まで目を付けられる始末…………面倒臭すぎだろ。」
対するヴァンは反論した後自分達が目をつけられた勢力を思い浮かべて嫌そうな表情を浮かべた。
「あはは………………でも半分以上はヴァンさん自身のせいのような。」
(”自業自得”とはまさにヴァンの事を示しているでしょうね。)
「半分どころか100パーだろ。」
「えへへ、公太子殿下に気に入られたのも凄いと思いますっ。」
苦笑を浮かべているアニエスの指摘に続くようにメイヴィスレインとアーロンはそれぞれの考えを口にし、フェリは無邪気な笑みを浮かべてサルバッドでの別れ際のシェリド公太子達の事を思い返した。
〜数日前・サルバッド〜
「―――――不甲斐なき我が失態、収めていただき感謝に堪えません。」
「いやはや、とんでもない目に遭ったが色々な意味でいい経験にもなったよ。約束通り、報酬には色をつけさせてもらった。後日届けさせるから楽しみにしてくれたまえ。」
「はは、恐れ多いですが有り難く受け取らせてもらいますよ。」
感謝の言葉を述べたナージェに続くように苦笑しながら答えた後ウインクをしたシェリド公太子にヴァンは苦笑しながら答えた。
「しかし、本当に興味深い事件だった。アルマータに”ゲネシス”とやら…………――――――そしてヴァン君、”君自身”にもね。」
意味ありげな笑みを浮かべたシェリド公太子の言葉にヴァンは苦笑を浮かべた。
「そういやあの天使の刑事の話だと、あんた達、アルマータの件を利用してメンフィルに嵌められたかもしれないらしいが、あれからメンフィルから何か文句とかあったのかよ?」
「ア、アーロンさん。」
「幸い………と言ってい
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