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星河の覇皇
第八十七部第三章 港の整備その十七

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「いいな」
「わかりました」
「そして有事にはだ」
「艦隊を率いて」
「戦ってもらう」
「わかりました」 
 タンホイザーはまた言った、そしてだった。
 彼は巡察を終えると実際にオリンポスに戻った、すると彼を待っているものがあった。それは二つあり。
 家に帰ると妻に笑顔で言われた。
「遂にです」
「そうか、出来たか」
「男の子とのことです」
「それは何よりだ、私も遂にだな」
 妻のエリザベートに笑顔で語った。
「父親だな」
「そうなられましたね」
「これでだ」
「お家もですね」
「続く、どうしてもな」
「貴族ならば」
「家のことがだ」
 貴族は家によって成る、だからこそ重要になるのだ。
「やはりな」
「左様ですね」
「そしてその家がな」
「続くので」
「なによりだ、だが」
「それ以上にですね」
「父親になることがな」 
 まさにこのことがというのだ。
「何といってもだ」
「嬉しいことですね」
「結婚しても想像も出来なかった」
 親になることはだ、タンホイザーにとってはそれはずっとまさに今に至るまで想像の外にあることだったのだ。
「しかし今は違う」
「実感されていますか」
「心からな」
 まさにというのだ。
「そう感じている」
「それは何よりです」
 妻も笑顔で述べた。
「では」
「これからは細君は自重してくれ」
「お腹の子供の為にですね」
「そうしてくれ、犬達の散歩もだ」
 妻の日課である、運動も兼ねている。
「臨月近くになるとな」
「しないことですね」
「それは家の者達がするか」
 タンホイザーは確かな顔で話した。
「私がだ」
「行ってくれますか」
「現に今もしているな」
「はい、お家におられる時は」
「時間の許す限りな」
 タンホイザーにしても犬好きだ、子供の頃はそれこそ家の犬達と泥だらけになって遊んでいた。そうして散歩も毎日していたのだ。
「そうしているな」
「だからですね」
「私にも言うことだ」
「お時間を見られて」
「そうしていく、適度な運動はいいが」
「犬の散歩はですね」
「犬は引っ張る時もある」
 そうした時もというのだ。
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