3 拳聖は彼を視る
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丈流が龍斗と親しくなってから数年、丈流はある日、身体作りの一環で山登りを行っており、その身体には体重を20倍にさせるスーツを着ている。
「はあ、はぁ……!すっごく重たい……汗、止まんない……!!」
「「「「(何か、地面に足がめり込んでないか!?彼!?)」」」」
汗を掻きながらも、山を登り続ける丈流を見た登山者達は、そんな彼を見て若干引いていたのであった。
そんな丈流を見て、1人の道着の男が話し掛けた。
「大丈夫かね?かなりの汗だが?」
「え?あぁ、ど、どうも。すみません遅くて。」
「いやいや、その若さで登山とは。関心関心、しかし体力の無さはいかんね。しっかり食べて、しっかり休むのがミソだよ。」
「は、はい。ありがとうございます……。あ、俺、九十九 丈流って言います。」
「ほう、中々礼儀正しいね。私は”岬越寺 秋雨“という者だ。では、頑張りたまえ、若人よ。」
秋雨はそう言うと、スタスタと足取りも軽く先に山を登り進めていく。
しかし、丈流はそんな中でズッシリと重たい身体を一歩一歩踏みしめながら進んでいる。勿論これも修行であり、身体作りと肉体強化の修行である。
足場の悪い山を登り進めて行く事、約3時間。
目的の場所に到達すると、そこには巨大な鉄鉱石が置かれており、丈流はその鉄鉱石に向かって、拳で一万回突き、足で蹴り始める。
手や足が壊れるかもしれない中で、丈流は一心不乱に突きと蹴り、さらには投げの練習を日が暮れるまで続けていった。
丈流は八鹿から新たに学んだのは、”自分が何のために努力していくのか、芯を持て“という物である。
その時、丈流は強くなって誰にも負けない為と答え、その答えに八鹿は足りないと返した。
『足りないって、何がですか?』
『良いか、丈流。武には闘うための武と護るための武がある。お前はどっちを取るんだ?』
『俺は……取るとしたら闘うための武、ですかね。俺にとっての武の見方って、やっぱり闘うためって感じですから。』
『そうか。まぁそれもお前の道だ。自分の芯と道は曲げるなよ?』
八鹿はそれだけしか言わなかった。
何を伝えたかったのか、丈流にはまだ理解できていないが、彼は自分の進める道を進んでいこうと考えていた。
「はぁ、はぁ……!!!修行……一万回、突破……!!!!」
ダァンッ!!!
拳と足、投げの修行を終えた丈流はスーツの重さを解除して、その場に倒れ込むと視線の先には美しい夕暮れが拡がっていた。
「はぁ、はぁ……。あーーーーっ、しんど〜〜。
手や足が痛いし、休んで
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