第三十三話 回り道を終えてその二
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「運がよければって感じですね」
「それもかなり」
「そうですね」
「そして運頼みになりますと」
そうなると、というのだ。
「最早です」
「駄目ですよね」
「運も実力のうちですが」
それでもというのだ。
「運を頼りにする様では」
「他のことが駄目ってことですし」
「頼らないことです」
「そうですよね」
「そうです、運頼みではなく」
「ちゃんとやってくことですね」
「努力して」
「そうですよね、僕ずっと努力嫌いでしたが」
「努力は必ず実を結びます」
エンターははっきりとした声で言い切った。
「間違いなく」
「だから努力はすることですね」
「絶対に」
「そうですよね、それならです」
クレオンはエンターの言葉を受けて言った。
「ドクターマンの説得も」
「全力で、です」
「行うことですね」
「はい、確かに来てくれる可能性は低いです」
エンターも思うことだった。
「それも非常に」
「やっぱりそうですね」
「ですが」
それでもというのだ。
「全力で向かう、それも一度で駄目なら」
「何度でもね」
エスケイプも言ってきた。
「行わないとね」
「そうです」
エンターはエスケイプにも答えた。
「一度で諦めますと」
「それで終わりね」
「諦めますと」
「だからこそ」
「一度や二度では諦めないことです」
「三顧の礼だな」
ターゲイトはここでこの言葉を出した。
「要するに」
「その通りです」
エンターはターゲイトにも答えた。
「三度でもです」
「何度でもだな」
「お話をして」
「説得することか」
「いざとなれば」
「それじゃあな」
「私達全員で」
「やっぱりドクターマンには来て欲しいな」
切実な顔と声でだ、ゼットが言って来た。
「仲間にな」
「そうね、仲間が多いとね」
エスケイプも確かにと頷いた。
「それだけ賑やかだし」
「だからな」
「ドクターマンに来て欲しいですね」
「そしてだ」
そのうえでとだ、ゼットはさらに話した。真剣そのものの顔に彼が今考えていることがはっきりと出ていた。
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