第八十四話 三つの世界の主神達その四
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「ただ冥界の主神であるだけやのに」
「それでもな」
「そうなってるな」
「ハーデスさんも不本意やろな」
「ほんまどの国でも冥界の神霊さん達は怖がられるな」
施も言ってきた、それはその通りだとだ。そうして左右から来た青い古代ギリシアの武具で武装した魔族の兵達を倒してから言った。
「海の神霊さん達はそうでもないが」
「おわかりですか」
「我々がポセイドン様にお仕えしていると」
「そうなのですね」
「その武具の色でな」
施は兵達に笑って話した。
「わかるわ」
「青なので」
「青は海の色なので」
「だからですね」
「そや」
まさにというのだ。
「それでわかったわ、海や天界はな」
「怖がられへん、しかしな」
シェリルは施に兵達が金を置いて退くのを見つつ話した、金は芥川が拾い一行の財布の中に入れている。
「ゼウスさんは言うまでもなくポセイドンさんもな」
「お二方共か」
「ギリシア神話に出て来るさかいな」
だからだというのだ。
「感情の赴くままや」
「動きはるな」
「ハーデスさんもそれは同じや」
「奥さんになる人攫ってたな」
「そや」
シェリルはまさにと答えた。
「デメテルさんの娘さんな」
「ペルセポネー女神な」
「攫って」
「奥さんにしたな」
「父親の了承得てな」
ペルセポネーの父親がゼウスであったのだ、つまり二人は共謀していたのだ。
「そうしていたさかいな」
「感情の赴くままやな」
「そうしたことするのはな」
「同じやな」
「あの神話の登場人物全員な」
まさにというのだ。
「そうやけどな」
「感情の赴くまま動くな」
「理性なんかなくて」
ギリシア神話には見られないものの一つだ。
「それでな」
「そうしたことするな」
「結局は同じや」
「ハーデスさんも」
「そうね、ギリシア神話って皆理性ないのよね」
アレンカールもそれはと言った。
「誰もがね」
「見事にな」
「それでね」
シェリルにさらに話した。
「かっとなって大量殺人とか」
「サイコ殺人もあるな」
「女の人を、とか」
「相手構わずな」
それが例え血縁者であってもだ。
「ほんまそういうのがな」
「常なのよね」
「それでや」
シェリルも話を続けた。
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