第百四十四話 教会に行ってその十一
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「何で自分がこの世で一番偉いと思えるか」
「そんな恥ずかしい有様でね」
「わからないわ」
「例えどれだけ凄くても所詮人間だしね」
「神様仏様には全く及ばないし」
「本当にわからないよ」
「そうよね」
結局一華もわからなかった、その輩がどうしてそう思えたか。だがそうした話をしている間にも電車は学校に向かい。
そこに着くとだ、二人はそれぞれの部活に行って朝練に励んだが。
それが終わってクラスに入るとだ、留奈が苦い顔をしていたので彼女にどうしたのか尋ねるとこう言われた。
「いや、今朝自分でお弁当作ったのよ」
「そうなの」
「たまにはって思ってね」
それでというのだ。
「そうしたら」
「失敗したの」
「間違えて梅干し入れなかったのよ」
「梅干し?」
「個人的にご飯なら」
弁当はというのだ。
「やっぱりね」
「あんた梅干し好きだし」
「あればね」
「絶対に食べてるわね」
「それでお家にも絶対にあって」
それでというのだ。
「今日も入れようと思ったら」
「忘れたの」
「他は出来て」
弁当の中のというのだ。
「やったって思ったら」
「梅干し忘れてたの」
「さっき思い出して」
そうしてというのだ。
「実際にね」
「お弁当確認したら」
「日の丸弁当風にね」
「白いご飯の真ん中に置くつもりだったのよ」
「それがなかったのよ」
「それで落ち込んでるのね」
「梅干し大好きなのに」
それでもというのだ。
「ないからね」
「残念なのね」
「ええ」
そうだというのだ。
「本当にね」
「それならね」
その話を聞いてだ、一華は言った。
「私のあげるわ」
「梅干しを?」
「あんたの梅干し好きは知ってるし」
留奈に笑顔で話した。
「それならね」
「くれるの」
「実は今日のお弁当その日の丸なのよ」
「おばさんが作ってくれたのね」
「おかずもあって」
そうしてというのだ。
「ご飯でね」
「梅干しもなのね」
「入れてくれてて」
それでというのだ。
「日の丸だから」
「それでなの」
「よかったらね」
それならというのだ。
「あげるわ」
「有り難う、悪いわね」
「ええ、あんた本当に梅干し好きよね」
一華はこのことを留奈自身に話した。
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