第百四十四話 教会に行ってその十
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「そう言うしかないよ」
「その通りね」
一華も否定せずに頷いた。
「今お話している人もそうだし」
「あまりにも酷い人はね」
「誰が何言っても何しても救われないわね」
「最底辺のさらに下にいるから」
だからこそというのだ。
「もうね」
「救われないわね」
「絶対にね、しかしどうしてもわからないのは」
達川は首を傾げさせて話した。
「この人が自分はこの世で一番偉い」
「そう思い込んでいたことね」
「今もかも知れないけれど」
「何でそう思えたか」
「そう思う様になった理由はね」
「わかってるわね」
「長男さんとして甘やかされて」
そうしてというのだ。
「ずっと働かないでお家の中にいて」
「勝手に勘違いしたのよね」
「それで何でも偉そうに文句つけて」
「本を読んでも」
「そうしていってね」
その結果というのだ。
「思い込んだのはわかるけれど」
「ちょっと自分を振り返って」
一華はそうしてと話した。
「世の中を見れば」
「わかるよ、凄い人なんて幾らでもいて」
世の中にはというのだ。
「自分のちっぽけさもね」
「わかるわよね」
「神様帆トk様の存在も」
そちらのこともというのだ。
「感じることだってあるし」
「実際に天理教にお世話になっていたし」
「誰でもね」
「そんな風に思わないわね」
「しかも何もしてこなかった、出来ないなのに」
「実績もないし」
「それが五十にもなってだよ」
そこまでの年齢になりというのだ。
「それでね」
「そんな勘違いするなんて」
「それがわからないよ」
どうしてもというのだ。
「俺には」
「何で自分がこの世で一番偉いと思えるか」
「人はちっぽけで」
そうした存在に過ぎずというのだ。
「その人のことを見るとね」
「偉くないわね」
「むしろかなりレベルの低い」
そうしたというのだ。
「どうにもならないね」
「そんな人よね」
「誰がどう見てもそうなのに」
「何でそう思えたか」
「お金も立場も学歴も資格も実績も人脈も何もないのに」
まさに何もないのにというのだ。
「人望も人徳もね」
「周り全員からよく思われていなくて」
「全然偉くないどころか」
それどころかというのだ。
「本当に何もない」
「そんな人よね」
「それでどうしてそう思えたのか」
それはというのだ。
「今もかも知れないけれど」
「それ言ったら私もよ」
一華もこう返した。
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