第百四十四話 教会に行ってその八
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「甘いとか辛いとかね」
「文句ばかりだったんだね」
「そうだったらしいわ」
「そうだろうね」
予想していたという返事だった。
「やっぱり感謝していないし美味しいと思えないなら」
「幸せじゃないわね」
「この人ものごとを素直に受け止められないとしかね」
その様にというのだ。
「思えないから」
「だから感謝しないで」
「偉そうにマウント取ってね」
「不平不満ばかり言うから」
「絶対にね」
「幸せになれないわね」
「奥さんがお仕事から帰って」
そうしてというのだ、自分は働かないで家にずっといてだ。昔で言うとヒモと呼ばれる存在そのものである。
「疲れてるだろうに」
「それで折角作ってくれたのに」
「そのお料理に感謝しないで」
「甘いとか辛いとか文句ばかりだと」
「幸せには思えないし作る方もね」
「嫌になるわね」
「そりゃ奥さんも離婚するよ」
そうなって当然だというのだ。
「何でも相談にも乗らないで旅行行こうかと言っても断る」
「家族の意味ないわね」
「それでいていつも偉そうに言う」
「おまけに働かない」
「ここまで揃っていたらね」
それこそというのだ。
「誰だってだよ」
「離婚するわね」
「そこでまた思うよ」
「それで幸せか」
「そんな筈ないよ」
それこそというのだ。
「もうね」
「その通りよね」
一華も確かにと頷いた。
「何でもホームレスにもなったそうだし」
「普通そこで心入れ替えると思うよ」
達川は首を傾げさせて述べた。
「やっぱりね」
「ホームレスになるとね」
「離婚されても働かないで」
そうであってというのだ。
「親戚からお金せびって生きていても自分の為にはお金使って」
「それでヤミ金からも借りて」
「けれど団地の家賃も払えなくなって」
そうなりというのだ。
「遂にいられなくなって」
「ホームレスになって」
「そこまでなったらね」
「普通反省するわね」
「そうだよ、それで見付けてもらって助けてもらって」
「お仕事も用意してもらって」
「そこまでしてもらったらね」
ホームレスになったうえでというのだ。
「普通はね」
「心を入れ替えて」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「まともになるけれど」
「それでも偉そうでやっぱり働かないで」
「遂に誰からも匙投げられたっていうから」
だからだというのだ。
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