第一幕その九
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「ヘレン=ケラーさん」
「とても素敵な人よ」
ドロシーはそのお名前を聞いてぱっと明るいお顔になりました、そのうえでジャックに対して言いました。
「優しくて穏やかで思いやりのある」
「素敵な人だね」
「とてもお心が奇麗なの」
ヘレン=ケラーさんはです。
「誰よりもね、誰よりも幸せだって」
「言われているね」
「いつもね、それでね」
そうした人でというのです。
「目が見えて耳が聞こえる」
「そのことがだね」
「何よりも嬉しいって」
「言われているね」
「だから幸せだってね」
「目が見えて耳が聞こえてね」
かかしはお二人のお話を受けてこう言いました。
「喋ることが出来る、何でもない様で」
「とても素晴らしいことよね」
「そうだよ、その三つが出来ている僕達はね」
「それでよね」
「とても幸せだよ」
「そうよね」
「こんな幸せなことはない」
それこそというのです。
「そう言っていいまでにね」
「素晴らしいことよね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「ヘレンさんの言う通りだよ」
「本当にそうね」
「あの人のお話は僕も聞いているよ」
かかしもというのです。
「外の世界だと目が見えなくて耳が聞こえなくて」
「そして喋ることが出来なくて」
「その三つの苦難に勝ったね」
「素晴らしい人ね」
「そうなんだ、そして今はね」
「オズの国におられるわね」
「サリバン先生と一緒にね」
強い絆で結ばれているこの人と、というのです。
「幸せに暮らしているよ」
「嬉しいことね」
「素晴らしい人が皆ね」
「来てくれる国よね」
「このオズの国はね」
「そうして楽しく過ごしてくれているから」
「とてもだよ」
まさにというのです。
「素晴らしい国だよ」
「本当にそうね」
「そして今回訪問する人達も」
「素晴らしい人達よ」
「そうだね」
「どの人達もね、それじゃあね」
ドロシーはかかしにとても明るい笑顔で言いました。
「これから準備をするから」
「それが整うとだね」
「出発しましょう」
「それではね」
「それとね」
さらにです、ドロシーはかかしにお話しました。
「外で臆病ライオンがいるわね」
「宮殿のお庭にね」
「ナターシャ達と蹴鞠をしているけれど」
「その蹴鞠にだね」
「私達も参加しましょう」
「そして一緒に楽しもう」
「そうしましょう、あと魔法使いさんは」
使節団に参加するもう一人の人はといいますと。
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