第14話
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〈サミュエル・ゼノビアSIDE〉
なんたることだ。何故、オリジナルアリス確保の許可を出さなかったのだ。ウェスカー議長は何も分かって無い。
自分の城でもある研究室に戻ってきた訳だが、声高に愚痴を言いたい。いや、叫びたい。
だが、そんなことをしては駄目だ。根拠は無いが、本能が訴えるのだ。そんなことをすれば私はクビ間違い無しだ。最悪アンデットの刑となるかもしれんが。
何だ、アンデットの刑とは。自分で言うのもなんだが、こんな可笑しいな刑は? まぁ、コレに対しては心配ない。何故ならアンデットの刑とは、自分自身が思考しただけの唯の妄想なのだから。
私は、ハッと閃いた。愚痴は内心ですれば良いのだ、と。
では早速……許可を出せよッ。なんで出さんのだ!私なら出すぞ?!あのサングラス金髪野郎め!!
…はぁ、全くこんなことはしたく無かったのだがな。致し方あるまい。ウェスカー議長に許可貰ったことにして、アリス確保に私自ら赴こう。
その前に、だ。
白衣のポケットに入れて置いたデジタルレコーダーを取り出した。赤いライトが点いているのは、まだ録音が続いている印。ボタンのひとつに触れ、赤いライトを消した。
フフフ、議長は知るまい。私がデジタルレコーダーを忍ばせていた事を。
パソコンを開いた後、デジタルレコーダーをパソコンに接続。次にパスワードで守られたフォルダーーー出鱈目に選んだ番号15627ーーーに既に保存してある音声に先程の会話を加えた。
議長の声を取り出すプログラムを起動した。このプログラムは各々の言葉ごとに新しいファイルを作成され、15627のフォルダには其処にある言葉と関連する名前のサウンドファイルのアイコンが付け加えられる。
するとどうだろう。
『ーーーまずは本人であると確定するのが先だ。100%の確率で。委員会で話し合って結論を出すまで、勝手な行動は許さん。ゼノビア博士、これは命令だ』
パソコン上に議長の声をGET出来た印を示す『獲得しました』と『音声生成』が閃きながら表示された。素晴らしい。
試作していた『抗ウイルス剤(青色)』を弄って待った甲斐があったというものだ。
私は席に座り、別のプログラムを呼び出した。たった今作成した個々のファイルからサウンドファイルを作り出すプログラ厶。
単調で手間の掛かる作業ではあったが、およそ30分後、目的のサウンドファイルが完成した。私は念の為、完成したのを再生してみる。
『我々、委員会は、緊急の処置を、許可する。即座に、特殊部隊を、出動させよ。その、総指揮官は、サミュエル・ゼノビア博士。彼女の、命令通り、準備せよ。これは命令だ』
議長のバラバラな声がスピーカーから再生された。不規
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