第13話
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「マイキー、それがどれだけ大変な旅か、分かっているの?」
「わ、分かってるよ。クレア」「あぁ、長い事は確かだな」
クレアは野戦用トラックの荷台に集めたメンバーを見ていった。カルロス、マイキー、チェイス、モーガン、そしてアリス。
今回、クレアが話し合いの場を設けたのはアリスより「少し前に見つけたものがあるの。きっと、皆の役に立つ」と熱心に口説かれたのがきっかけだった。
「で、でもクレア、この情報には…」
クレアは深い溜息が出るのを、寸前で堪えた。確かに行ってみる価値はある。だが、それは余裕があるからこそだ。
それに、だ。無線に応じて救助に向かったことなど何度もあった。…だが、手遅れだったのが殆んど。
これには誰もが口を閉ざす他が無かったのだがそんな中、アリスはマイキーを援護するよう口を開く。
「だけどこの日記帳には、感染者はいないと書かれてる。隔離されてて、安全だと」
「私は皆の命を預かっている者として、そんな甘い夢は語れないわ」
クレアは憤り、アリスを睨みつけた。アリスは睨みこそはしていないが、真っ直ぐとクレアを見返した。
「クレア、夢こそが必要なのかも」
クレアはくるっと彼へ振り向く。意見したのは、今まで口を閉ざしていたカルロス。
「皆を見てみろ…」
クレアは視線をカルロスから”皆”にやった。
子供大人関係なく暗い影を落としていた。
「半年前、俺達は50人だったが、今では20人しかいない。絶望ムードだ。必要なのは希望だ」
「希望、か…」
クレアはこの荷台に集ったメンバーを見た。アリスは表情が分かりづらいが、他は違う。彼等の瞳には、希望に縋っていた。
(カルロスの言う通りかもしれない。少なくとも選択肢を選ぶ義務はある。全員に)
リーダーといえども、1人で決められることではない為、クレアは集会を開こうと決意した。
10分後、野戦用トラックの荷台周囲に生存者達は集まった。ひとり残らずクレアを見つめていた。
「皆を集めたのは他でも無い。集めたのは…これから重大な決断を決めるからよ。でも、私一人で決めることは重すぎる。単刀直入に言うわ。…仲間(生存者)が生き残っているのかもしれないの」
その言葉を聞いた瞬間、ザワザワと騒めき始めた。誰もが「何処に?」と唱えていた。
「アラスカに。其処は、感染が及んでいない可能性がある。でも保証は無いの」
だから、とクレアは続ける。
「選択肢は2つ。このまま留まるか、アラスカを目指すか。アラスカ派は?」
クレアは見回した時、ゆっくりとぽつりぽつりとだが手が挙がっていき、やがては全員が手を挙げた。結果が分かり、クレアは
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