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バイオハザードなんてクソくらえ!【未完】
第11話「お帰り、アリス」
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が自分と同じ道を歩んでいると聞いても、アリスは驚かないだろう。寧ろ、納得もあった。ジルはラクーンシティで仲間を裏切られた経験を持っている。
 
 カルロス、L・J、アンジーと一緒に行動を共にする時も、いつも疑り深かった。

 「あ!」

 アリスは懐かしむよう記憶の海へと浸っていたが、Kマートの大きな声を区切りに、それを止めた。

 「どうしたの?」

 「これから、オットー達の為の追悼式があるんだよ。場所は外で。よかったら一緒に追悼式に出席しない?」
 
 「…良いの?」

 Kマートは肩をすくめる。こういったジェスチャーは世界が変わった今でも変わらない。

 アリスはKマートに従い、部屋を後にし、モーテルから出るのであった。




 カラスの襲撃から生き残った生存者達は1つの場所に集まっていた。

 彼等は10本の木製の墓標の前に、横列となって並んで立っていた。その墓標の下に、カラスの襲撃によって亡くなった人達が眠っている…。

 中央には茶髪にも見えるブロンドの髪をする女性クレアが立っている。

 「誰か、弔いの言葉を掛けたい人は?」

 『・・・』
 
 誰も口を開こうとはしなかった。誰もが暗い表情をしている。

 当然だ。寝起きを共にし、苦楽を共に過ごした仲間が亡くなったのだ。亡くなった仲間を称え、追悼する気力すら涌かない程…今の彼等は、打ちのめされている。
 
 そんな中、1つの墓標へと歩み寄る人物がいた。黒人の男、L・Jだ。

 L・Jは、ペディ・グリアと書かれた墓標に歩み寄り、手で十字架を切った後にネックレスを丁寧に掛けた。ネックレスを掛け終えた直ぐのこと。L・Jの瞳から涙が出てきたのだ。それこそ、水溜りを作らんとする勢い…。

 その様子を後ろから見ていたアリスは驚いた。それもその筈、アリスはこれまでL・Jのことを、チンケな詐欺師としか思えない程の強い印象だったからだ。自分の母親すら鼠講で騙していたという話も聞いたことがあるくらいに。

 だが、今のL・Jは悲しみに打ちひしがれていた。

 アリスは知らないことだがL・Jとペディは恋人関係にあり、その信頼関係はとても強く、仲も良かった。…このようなバイオハザードが蔓延している世界でなければ、彼と彼女の運命はまた違うものになっていたのかもしれない。

 アリスは追悼式の様子を少し離れた場所から続けて見ていると、カルロスと中央に居たブロンド髪の女性が彼女に歩み寄ってきた。

 「アリス、此方はクレア・レッドフィールド。このコンボイを起ち上げた女性だ」

 カルロスはアリスへ紹介した。その際、アリスは驚いた表情をする。

 アリスはてっきり、カルロスがこの一行を率いていたものかと思っていたからだ
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