第10話
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いた。いい気味だ。
「大丈夫、完璧に安全だ」
1体はガラスを壊そうとパイプ椅子を投げてきたりぶつけたりとしているが、プラスディック製のガラスはびくともしない。
それを堺に、全アンデットはガラスにしがみつく。とあるアンデットは涎を垂らしながら私達を喰らおうと必死のようだ。まぁ、無駄だが。
「奴等を飼いならせたのでは?」
「凶暴さが役に立つこともある」
「いったい何の為に必要なのです?」
…私は1度もスレイターを頭が良い男とは思ったことは無い。いや、こんな奴でも私の右腕なのだ。誠に遺憾であるが。
「ゼノビア博士、クローン83番がテストグリッドの最終ステージに辿り付きました」
あぁ、アリスー83か。…さて、今回はどうかな。
「ホワイトクイーン、デスクトップに映せ」
ガラスを不透明に戻すことを忘れずにし、私は席に戻る。
席に戻った頃には、既にクローンであるアリスー83が映し出されていた。
ハイブの大惨事や前回と同じように赤いドレスを着て、ブーツを履き、ラクーンシティと同じに作られた廊下を歩いている。
罠を警戒するように用心深く正面入口へと進んでいく。
これは賢明な行動だろう。83番が床に印字されているアンブレラのロゴを片足踏んだ時、突如として表に出る一対のドアが開くと1体のアンデットが居たからだ。
アンデットは83番に飛び掛かる。当然、83番は返り討ちにしようとするが、残念ながら失敗に終わった。
アンデットは83番の首に歯を立てて、喰らいつく。83番は退かそうと必死のようだが、彼女の口から血が出始めてきた。吐血だ。
ふと、後ろからゴクンと息を飲み込む音と、しゃがれ声を上げていたのを、私は確かに耳にした。スレイター、後ろに立ってこの様子を見ていたのか。
私にもこの反応は理解出来るが、こんなのはマシなほうだ。アンデットは人間の身体なんて素手で引き裂くことが出来るのだから。
「ウェスカー議長は、これを知っているんですか?」
「必要なことは知っているとも」
「議長に告げることに決めた事は、ですがね。あなたは与えられた権限を超えている。これは反乱です」
私は平然とスレイターを見返した。
確かにアンブレラは、その意図においても目的においても、ひとつの国家となった。したがって、反乱という言葉は適切かもしれない。
だが、この男に反逆罪を言い渡す権威は無いのだ。…そもそも反乱行為など、私がする筈が無いだろうが!。
「私の研究で世界の全てが変わる」
私はアンブレラに忠誠を誓っている女だぞ? それにアンブレラは世界を救うのだ。やり甲斐を持ってやっているとも。
「…
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