第8話「もしや彼女は…」「あ、しまった…」
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一緒の部屋にって心臓が怖いぐらいビクビクするぞ。もし、この部屋に一人だったらと思うともうヤバい。言葉に表すことが出来ないぐらいヤバい。
ヤバいがこの部屋には私一人では無く、アンディとムンディ一緒ということを考えると本当に安心出来る。心の余裕も持てる。
この部屋にはテーブルがあり、正しい穴に正しいデジタルカメラに携帯電話、正しい穴に正しいブロックを入れる玩具が置いてある。
そして私達の向かい側にはグロッキーと名付けたアンデットが静かに椅子に座っている。名付けた理由としては捕獲した際、ホッケーのジャージを着ていたから。もっとも今は拘束衣を纏っているが。
今回のこの実験は飼い慣らし計画の為のものだ。この実験が成功すればどんなに良いことが私にやってくることだろうか。フフっ、考えるだけでも楽しみになってくるが
とはいえ、それは成功すればの話。ワクチンの効き目があれば、だ。襲ってこない保証は無い。一応、念の為に手首には拘束具と鎖があり、鎖はグロッキーが座る下の床に繋がっているが、ある程度の自由が出来るよう鎖は緩めになっている。
ワクチンの効き目が無い場合は知性は人間と同等か又は其れ以下の知性を戻らない。逆の場合は戻る。
おっ、ようやく3つ内のを取った。取ったのは携帯電話か。グロッキーは数秒眺めた後、携帯電話をパチっと開いてそれから私達に見せるように、顔を上げて耳に当てた。
まぁ、その耳に当てても相手は居ないがな。居ようが居なかろうがこの世界では無理なことだ。携帯用電波塔でも無ければ出来ないがもう一つ…。
この施設は地中深くにあるため、電波が入ってくることは無い。生きている携帯用電波塔が有れば、だが。
グロッキーも分かったらしく、携帯電話を置いた。
「驚いたな。何なのか分かってる…!」
「あぁ、凄いな。きっと生きていた記憶が残っているに違いない…!」
…間違い無くそうだろうな!(笑顔)。
私はテーブルに置いてある小型のデジタルカメラを手に取って、グロッキーに歩み寄る。
「カメラだ。使ってみて」
私は笑みを崩さないように意識し、手渡す。グロッキーは私へ手を伸ばし、そっと受け取った。
グロッキーは手に取ったカメラをよく見て確かめている。確かめが終わったのか私達に向けて構えようとするが勢いよくカメラを上げて向けていた為、私は驚き、次の瞬間には恐怖へと変わりつつあったが拘束してあったことを思い出したおかげで安堵の息を内心で出した。
「おい、一々怯えるな」
「「す、すいません」」
全く男ともあろう者が怯えるとは情けない。怯えるならこの私が適任だろうが!内心でな。表で出したらどうなるか溜まったもんでは無いな。多分舐められる。
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