第8話「もしや彼女は…」「あ、しまった…」
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が必要であるとアンディはハンバーグに言った。最初は諦めなかったが「役に立つなら…」と最後は承知した。
(役に立つとも…これは治療薬への最初のステップなのだから)
グロッキーは正しい穴に正しい形をブロックを1個入れ、次々と入れていく。それを見て、ムンディは「器用さ…記憶、推理能力。それから〜…」と呟きながらクリップボードに挟んでいる紙にボールペンを走らせた。
「き、奇跡だ…。血清の効果が効いた…。やりましたねゼノビア博士。おめでとうございます!」
クリップボードに書くことに熱中していたムンディも彼に続いて同じようにそう言った。
アンディは上機嫌となってゼノビアに話しかけた。
「…そのようだな」
彼女は横目でアンディを見て同意した。しかし何やら声音が沈んでいるのは何故だろうとアンディは思った。
アンディはゼノビアが沈んだ声音を出している理由が分かった。それは三角形のブロックを丸の中に入れようとしていたからだ。グロッキーは何やら苦戦しているようだ。
だがゼノビアは何を思ったのか一歩、二歩と後ろに下がった。そのゼノビアの様子を2人は見ていないその時、異変は起きた…。
「…ん?何だ?!」
グロッキーは突然、三角形のブロックを土台に叩くように打ち始めた。力は増していき、やがてはその馬鹿力で土台を含む玩具は崩れた。
アンディとムンディはたじろいだ。特にアンディは倍以上にたじろいだ。それは内心で彼の息子の形見には何も行らないと約束したことに…。
グロッキーは拘束を解き、怒りの咆哮を放ちながら崩れた土台を放り投げた。グロッキーは自身の隣に居たムンディを襲い、首を噛み千切る。ムンディは悲鳴を上げ、少しして事切れた。
アンディはまるで石になったような気がした。動くことも息をすることも出来ず、ただ其処に立って…。
アンディは精いっぱいの努力をして、ゼノビアに振り向いた。ゼノビアはガラス製の一対のドアに歩み寄り──出て行って流れるように後ろ手でドアを閉めた。
「…!?」
アンディは駆け寄るが既に鍵が掛かっていた。
「ゼノビア博士ッ。待ってくださいッ!。ドアを開けてッ!お願いします!!。どうか…!?」
アンディは見た。彼が見たのは、震えることも慌てる素振りすら無く、冷静沈着に観察するゼノビアの顔だった。
(クソ…ッ)
ゼノビアは職員の大変さを理解して、際どい冗談を我慢していたのでは無い。アンディはグロッキーとはもはや呼びたくも無いアンデットに捕まる前に、それに気づいた。
だがアンディにはもう、どうでも良かった…。
第4.0話 「あ、しまった…」
はぁ〜、この実験の為に必要とはいえ、アンデットと
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