第8話「もしや彼女は…」「あ、しまった…」
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」
「…」
アンディ、ムンディは驚きの声を隠せずいた。ゼノビアも声こそは出していなかったが表情においては、2人と同じ驚きのソレであり、次に笑みを静かに浮かべた。
グロッキーは数十秒、耳に当てている携帯電話をテーブルに置いた。
ゼノビアは頷き、テーブルに置いてある小型のデジタルカメラを手に取り、グロッキーに歩み寄る。
「カメラだ。使ってみて」
ゼノビアは笑みを崩さず、手渡す。グロッキーはゼノビアへ手を伸ばし、そっと受け取った。
アンディとムンディはゼノビアよりももっと酷い…酷いなんて済まない程のボスをかつて持っていたことを今のボスである、容姿が整い過ぎている女性ゼノビアをチラッと見ながら思い出していた。
自分達よりも二回りは下回るであろう年齢のこの女性科学者ゼノビアだが少なくとも、ゼノビアは変わっている環境に順応している。
ゼノビアは規則を守ろうとしているが、同時に此処で暮らしている社員がストレス発散する必要性も理解していた。このような恐ろしい状況下では必要不可欠であることも。
ゼノビアは彼等がお互いを冷やかししたりからかったり、大概の時は馬鹿げた振る舞いをしていても、仕事をこなしている限り、何も言わなかった。
アンディとムンディはゼノビアの意を汲み、彼女の目の前では出来るだけ冗談は控えていた。それが彼等が出来るせめてもの心遣い。
勿論、ゼノビアが実際のところどれほど気にかけているのか分かったことは一度も無い。ゼノビアは常に無関心であったからだ。それがこの世界を生きていく彼女の対処法なのかもしれない…。
アンディとムンディは気持ちを切り替えて、グロッキーが今していることを見つめた。グロッキーは手に取ったカメラをゼノビア達に向けて構えようとするが勢いよくカメラを上げて向けていた為、アンディとムンディは驚き、そして恐怖へと変わった。
彼等は一歩、後ずさる。ゼノビアはその様子を見て静かに叱った。
ウィーンっという音と共にレンズのキャップが開き、写真を取ったであろう音が鳴った。グロッキーは撮った写真をゼノビア達に向けた。
「なんてこった!」
「信じられない…!」
グロッキーはカメラを下ろし、テーブルに置いて戻す。
「アンディ、その玩具をグロッキーへ」
ゼノビアから言われたことにアンディは頷き、玩具を差し出しすようにグロッキーの前に移動させる。アンディはグロッキーが見つめている玩具を見てまた一つ思い出したことがあった。それはあの玩具は警備員であるハンバーグが持っていた物であり、…今は居ない亡き息子へのプレゼントでもあったことを。
この地下施設にやってきた時も彼は肌身離さず持っていた。この実験の際、それ
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