第5話
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、白髪の女性はうんざりといった表情をしながら首を振り、彼女に付き添う二人の男に命令する。
命令を下せるということは何らかの役職に就いているか、もしくは位の高い立場にあるということ。
「血液のサンプルを採って、死体を処分しろ」
「「はい、ゼノビア博士」」
ゼノビアは踵を返し、その場を後にした。
「意気地なしめ…」
アンディ・ティムソンは既にこの場から距離が離れているゼノビアの後ろ姿を見て吐き捨てる。呟くようにではあるが。
「もっと大きな声で言ったらどうだい?」
「ブレンダン、その挑戦はゴメンだな」
「そうかい、では俺達は”コレ”に挑戦しようか」
「だな」
ブレンダンと呼ばれた男はアンディと共に仕事に取り掛かる。血液採取だ。
数分から数十分が経過した頃、二人の男は血液採取を終えた。現在は冗談を交えた話をしていた。
「ぺちゃくちゃうるさいな。二人とも口を閉じることは出来ないのか?」
自分達以外の声が聞こえ、ブレンダンとアンディは喋りかけてきた人物を見る。全身を戦闘服に身を包み、ヘルメットを被っている為、表情は分からない。分かることは二点…声音が若い女性であることと警備員であることだ。
「「無理だね」」
二人はニヤリと口角を上げた。
女性警備員の表情は分からないがそれは二人も同じことだ。だが同じく笑みを浮かべていることは、ブレンダンとアンディは良い意味で察した。どうやら女性警備員とは仲が良いようだ。
かつては警備員と仲良くなるなんて考えもしなかったことだ。警備員は重要人物と施設に侵入しようとする輩から守る為に存在する。勿論、末端も含めて守ることも警備員の仕事だが、一番優先される順位は重要人物だ。
技術者、研究者であるブレンダンとアンディも、お互いを必要とすることなど、ほとんど無かった。
だが、それはもうとうの昔のことだ。今は同僚と仲良くやっていくしか無いのだ。何故なら恐らく、いや確実に死ぬまで一緒に暮らすことになるのだから…。
だが普段は考えないようにしている。3人の内、アンディが一番そう。
「さてと、コレを機械に掛けたら、どんな知恵を授けてくれるのかな」
ブレンダンは先程、採取した血液が入った蓋付き試験管をかざした。
「多分、81回目と同じ結果になるんじゃ無いかな?」
「へぇ、アンディがゼノビアにそう言ってくれるのかい?意気地なしって罵った後にさ」
アンディがブレンダンのツッコミに答える前に女性警備員は、間に入った。
「さぁさぁ、早く片付けよう。必要以上に、外に長く留まるのは私はゴメンこうむるよ」
アンディとブレンダンは
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