第3話
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へ差し出した。アリスは震える身体にソレを巻き付けた。
私はアリスの隣に座り、アリスのブロンドの髪を撫でて優しく彼女の手を擦りながら握った。アリスはキョロキョロと見渡している。私へ問おうと頑張ろうとするも声で出てこなかった。おそらく「…こ、此処は、何処…?」と言いたいのだろう。
「何処かって?心配は要らない。此処は安全だし、君自身も安全だ。さぁ、立ってごらん」
私は立ち上がり、彼女も立ち上がったがよろめいた。無理も無いな。三週間も自身の足で立っていないし歩いていないのだ。アリスは私の身体に寄りかかり、私は彼女を支柱のところに導いた。
「ほら、ここならしっかりと立てることだろう」
アリスの瞳は途方に暮れていた。人形のように表情が無いのを見ると、コレまでの事を覚えているか正直怪しすぎると感じざおえないな。ん?
「おや?彼の持っている物が気になるのかい?」
私の問いかけにアリスは頷いた。
どうやら私の隣に立っているドイルが今していることが気になるようだ。
ドイルが今しているのは近くのモニターを読み出しながら自身が持っているクリップボードのリストをチェックする仕事だ。
私は彼からクリップボードとペンを素早く掴んでアリスへと見せる。
「コレが何か分かるかな?コレはペンだ。ほら、こんな風に使うんだ」
「ペ…ペン?」
「やってごらん」
私は一言一句ゆっくりと明確にアリスへ喋り、ペンの機能を示す為、チェックリストやメモ欄に文字を書いていく。その後、クリップボードとペンを渡して、やってみるよう促した。アリスは直ぐに受け取り、アリスはペンを短剣を扱うように持ち、チェックリストの紙をくねくねと書いた。
関係の無い話になるが、くねくねは確か日本の怪談で登場する存在だったか。…仕事に戻ろう。
しかし、この様子を見るにまるで幼い子供、それこそ無垢で何も知らない状態に見えるな。確認が必要だ。それも基本的な事から。
アリスからペンとチャックリストを取り上げて、手持ち無沙汰のドイルに返却。私はアリスの頬を両手で添えるように撫でるように当てた。
「私を見てくれ。君の名前は何だ?何か覚えているかな?」
「私のーー名前は…私の名前は……」
アリスはこの言葉の意味を頑張って掴もうと繰り返した。この様子を見ると応援したくなるな。頑張れ!っと。
アリスは回復に絶賛向かっている。正確に言えばほぼ回復した。なれば次に為すべきことは…、
「彼女を24時間監視下に置くこと。今日中に血液検査一式と電解質の分析を出しておいてくれ」
「ゼノビア博士ッ」
後はそうだな。上級反射テストに電気インパルスの観察も実施して欲しいな。
「
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